研究課題/領域番号 |
16K04289
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
熊谷 龍一 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (60422622)
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研究分担者 |
野口 裕之 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 名誉教授 (60114815)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | DIF分析 / 特異項目機能 |
研究実績の概要 |
本年度は,研究代表者が勤務校においてサバティカル研修期間を取得したことにより,当初想定していたようなシミュレーション研究を計画通りに実施することができなかった。その代わりに,海外の研究期間において,実際のテストデータを分析する際に,DIF(Differential Item Functioning:特異項目機能)分析がどのような方法で実施されているのか,等についての知見を得ることができた。具体的には,多くのテストデータ分析場面でDIF分析が実施されており,DIF分析自体がテストデータ分析の必要要件となっていることを確認した。ただし,実施されているDIF分析手法については,正答率の比較等のシンプルな形式のものが利用されていた。 また研究分担者とともに,研究分担他者がこれまで実施・収集してきたテストデータの整理・検討を行ない,本研究において利用可能なものを分類し,次年度の研究に利用できることを確認した。具体的には,芝(1978)による語彙理解尺度についての経年比較データが利用できることを確認し,次年度の実データによる研究に用いることができることを確認した。 さらに研究分担者との協議において,下位集団をクラスタリングする際に,テストが測定しようとしている構成概念とクラスタリングにおいて関連がある場合に,DIFと見なせるのかどうかについての議論を行なった。このような場合,DIF項目が検出された場合に,従来のような取り扱いができるかどうかについて,さらに検討が必要であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が,勤務校においてサバティカル研修を行なったことにより,当初想定していたようなシミュレーション研究を進めることが難しくなったため,理論の精緻化や,海外研究機関における情報収集を追加で行なうことにしたため。
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今後の研究の推進方策 |
本来,平成29年度に実施する予定であったシミュレーションデータを用いた研究を進めると同時に,実データの収集・分析を行なうこととする。シミュレーションデータを用いた研究については,できるだけ早く学会発表等での研究成果の公開を行なうこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度,研究代表者が勤務校においてサバティカル研修期間を取得したため,計画通りの予算執行を行なうことができなかった。 平成30年度において,データの収集,整備などについて,申請者が勤務している大学院学生を研究補助として採用する予定であるが,その人件費について当初よりも増額して使用することとする。また,シミュレーションデータ分析に必要となる計算機関係の整備,海外研究期間への調査などに利用することとする。
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