研究課題/領域番号 |
16K04297
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
茅野 理恵 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (60754356)
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研究分担者 |
飯田 順子 筑波大学, 人間系, 准教授 (90383463)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 子どものサイン / 児童生徒理解 / 教員養成 / 教師 / 早期発見 |
研究実績の概要 |
本研究は、児童生徒から表出されている様々な行動や態度、身体症状のサインに対し、教師がサインとして認識することを促進・阻害している要因を明らかにすることで、子どものサインをサインとして適切にキャッチし、子どもの抱える様々な課題について早期発見、早期対応のできる教師を養成することを目的としている。 平成29年度は、まず前年度の計画であった、学校で教師が認知することが可能であるサインを明らかにし類型化する作業を行った。平成28年度に実施していた自由記述による予備調査データを用いて、児童生徒の心理的支援を専門とするカウンセラー、小中高等学校の教師の中で児童生徒の心理支援経験の豊富な者により、①学校で教師が観察により捉えることが可能である、②小中高校の児童生徒に共通して見られるサインであるという条件で項目の選定を行い、さらにKJ法で分類した後に、各項目により適切である順に優先順位をつけた。そして選定された項目を用いて、教員養成系大学の学生を対象に「学校で見られる子どものサインチェックリスト」の作成を行った。次に、平成29年度の研究計画に沿って、教師特有の認知傾向による見落としが生じやすいサインを明らかにすることを目的に進めた。作成したチェックリストを用いて、不登校や自殺の要因としてあげられている問題について、子どもにどのようなサインが見られると認識しているか、またその捉え方と「教師特有のビリーフ」や「クリティカルシンキング志向性」、「メンタルヘルスに関する知識」との関連を検討するために教員養成系大学の学生を対象に調査を行った。さらに、当初の研究計画には入っていなかったが、教員養成系大学の学生の教職志望動機と児童生徒に対する信念との関連を検討するために、自己決定理論に基づく教職志望の動機尺度を作成し教師特有のビリーフとの関連の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の計画で遅れていた部分の研究を行った上で、ほぼ今年度の計画通りに研究を進めることができた。計画になかった部分にも拡大して研究を進めることができた一方で、今年度計画していた部分で少々課題も残されているため相殺するとおおむね順調と言える状況である。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、平成29年度に作成した「学校における子どものサインチェックリスト」と「教職の志望動機尺度」について課題が残されているため、この課題をクリアするために再度調査を行い、チェックリストと尺度の精度をあげた上で、さらに児童生徒への信念等との関連を再検討する。また、平成29年度までの調査では、現役教師への調査が実施できていないためこの点についても平成30年度に調査を実施する。収集したデータを分析し、教員養成段階にある学生と現役の教師それぞれについて子どものサインを認識する上での促進・阻害要因について考察を行ない学会での発表を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度は、教師を対象とした調査が行えていないため、調査実施にかかる費用で差額が生じている。また、調査実施の時期の関係により、平成29年度は学会等における成果の公表には間に合わず、発表に向けて予定していたプロジェクターの購入や旅費の使用に至らなかった。平成30年度は、今年度よりも多くの調査を実施する計画であり、また成果の公表まで行う予定である。そのため、当初の計画にあるプロジェクターの購入や学会への参加のための旅費として使用する計画である。
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