個人のなかで自己志向的(利己的)動機と他者志向的(利他的)動機が葛藤しているか統合しているかを記述、測定するための方法を検討した。階層的目標構造の理論に基づき,複終局性(1つの行動が複数の目標に向かわせる状況)を統合、目標を満たす手段が独立していて資源を奪い合う状況と葛藤と捉えた。面接法により、個性記述的に目標とその手段を算出させて、さらにその関係を量的に評価させる方法を試みた。しかし妥当性検討のための適応指標との関連は明確に得られなかった。個性記述的方法に伴う目標と手段の内容の抽象度の個人差をどのように統制するかが今後の課題である。
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