研究実績の概要 |
多くのエンディングノートには自分の過去の思い出(自伝的記憶)の記入欄がある。しかし,申請者が50,60,70代男女450名に実施した調査では,エンディングノートに思い出が必要だと答えたのは約1/3のみであった。そこで平成30年度はインターネット調査会社に登録したモニター600名(50,60,70代男女各100名)を対象に,(1)エンディングノートに必要な項目,(2)自伝的記憶の想起とその記憶特性,(3)ジンバルドー時間的展望尺度に関する調査を実施し,時間的展望の個人差と自伝的記憶の機能の関係について検討した。 調査項目 TALE尺度(落合・小口, 2013),ジンバルドー時間的展望尺度(下島・佐藤・越智,2012),自分がエンディングノートを書く時に必要だと思う項目(健康情報,介護・看護の希望・終末期治療の希望,臓器提供の意思表示,財産一覧,遺言・相続,葬儀の希望,遺影の写真,墓・供養の希望,自分の好きなこと・やってほしいこと,家系図,連絡先,ペットの管理,携帯電話やインターネット情報の管理,その他),家族や知人がエンディングノートを書くときに必要だと思う項目(同上),自伝的記憶の想起とその記憶特性,自分の思い出を他者と共有したいかどうか,他者の思い出を共有したいかどうか,死後に他者に自分を思い出してほしいかどうか,思い出が持つ意味(自由記述),人生満足度尺度(角野, 1994),現在楽しんでいることと将来楽しみにしていること,ホーディング尺度(池内, 2014)。 調査結果は分析中である。
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