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2019 年度 実績報告書

人生後期における自伝的記憶の機能-他者に語る記憶と自己を振り返る記憶-

研究課題

研究課題/領域番号 16K04314
研究機関杏林大学

研究代表者

下島 裕美  杏林大学, 保健学部, 教授 (20306666)

研究分担者 島田 正亮  杏林大学, 保健学部, 講師 (80580563) [辞退]
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード自伝的記憶 / 時間的展望
研究実績の概要

2018年度に実施した調査(50,60,70代男女)を分析した結果,TALE尺度と時間的展望尺度,エンディングノートへの回答により人生を展望している最中に自伝的記憶を不随意に想起したのは44%,随意想起したのは42%,非想起は14%であった。不随意想起群は随意想起群よりもTALE尺度の全下位尺度の得点が有意に大きかった。想起した自伝的記憶を誰かに知ってほしいと思うのは38%,思わないのは62%,自分の死後に自分を思い出してほしいと思うのは26%,思わないのは23%,どちらでもよいが51%であった。
2019年度実施のweb調査(45歳から55歳の男性)では,自分が終活および老活をすることをイメージしたときに想起される自伝的記憶について検討した。TALE尺度,ZTPI,時間的展望体験尺度,人生満足度尺度,自伝的推論尺度にも回答を求めた。その結果,終活で自伝的記憶を不随意想起したのは21%,随意想起は48%,非想起は31%,老活ではそれぞれ29%,47%,24%であった。終活老活ともに想起群は非想起群よりもTALE尺度の全下位尺度とZTPIの未来・過去否定・過去肯定が有意に高かった。想起した記憶を誰かに話したことがあるかは,「頻繁にある」「何度かある」「一度はある」「ない」が終活で8%,44%,13%,36%,老活で5%,47%,10%,38%であった。
上記2つの調査から,人生の終盤を意識した時に不随意に自伝的記憶を想起する人はそれほど多くないが意図的な想起は可能であること,自分の過去を他者と共有したい人はそれほど多くないことがわかった。また,誰かに話したことがある記憶だけではなく、誰にも話したことがない記憶が想起されることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 「人生後期における自伝的記憶」の機能を再考する2019

    • 著者名/発表者名
      下島裕美
    • 学会等名
      日本心理学会第83回大会公募シンポジウム「思い出」を科学する

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公開日: 2021-01-27  

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