研究課題
基盤研究(C)
本研究は,項目反応理論を用いて情動知能を測定するための客観的テスト方式の尺度を作成することを目的とした.情動知能の客観的テストとして海外で最も用いられているMSCEITを基にして,文化の違いを考慮した日本で使用できる項目を作成した.項目反応理論を用いて項目の評価と選定を行った.項目によって困難度が異なり合計点の使用は適切ではないことがわかったため,IRTを用いて個人の能力を算出する方法が提案された.
教育心理学
日本では,質問紙方式による情動知能尺度がいくつか開発されているが,能力モデルに基づく客観的テスト方式の尺度の開発は進んでいない。本研究は海外で情動知能の客観的テストとして多くの研究や実践で用いられているMSCEITの4領域のテストのうち,自己の感情の制御と他者との関係の下位尺度から構成される情動の制御を測定するためのテストを作成した.今回開発したテストは教育プログラムの評価・改善や,情動知能のアセスメントに有効な道具となることが期待される.