研究課題
コミュニケーションの発達は、感覚運動や協調運動、情緒や対人関係の発達と関係していると考えられている。また、発達障害児は不安や怒りの統制の問題や不器用な運動能力が示唆されている。そこで、発達障害者における対人的コミュニケーションと社会的相互作用の障害の基盤を検討するため、自閉症スペクトラム障害(Autistic Spectrum Disorder;以下ASD)と注意欠如/多動性障害(Attention Deficit / Hyperactivity Disorder;以下ADHD)、定型発達者を対象に呼吸と情動、動作姿勢、嗅覚認知能力を評価し、それらの能力と障害の特質、言語的コミュニケーション能力、知的能力の関係を検討した。その結果、右片足立ちではX軸(t(66)=2.477)、Y軸(t(66)=11.222)、z軸(t(66)=-9.014)、ともに有意な差が認められ、左片足立ちではX軸(t(66)=.552)に有意差はなかったが、Y軸(t(66)=9.384)とz軸(t(66)=-8.014)で有意差が認められた。ソフト版上片足立ちでは、右足左足とも、X軸(t(66)=1.474; t(66)=0.916)に有意差はなかったが、Y軸(t(66)=10.140; t(66)=9.583)、z軸(t(66)=-9.005; t(66)=-8.587)で有意差が示された。つまり、すべての片足立ちにおいて、発達障害群は縦軸(Y軸)で定型発達よりも大きくずれ、上下運動(Z軸)は定型発達群よりも小さな動きをしていることが示唆された。従来の動作姿勢検査では検出できない発達障害者における歩行動作時の特異的なずれが示唆されたと考えられる。
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都留文科大学研究紀要
巻: 89 ページ: 101-107