研究課題/領域番号 |
16K04320
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
安藤 史高 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (70390036)
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研究分担者 |
小平 英志 日本福祉大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00442228)
布施 光代 明星大学, 教育学部, 准教授 (10454331)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 積極的授業参加行動 / 「注視・傾聴」行動 / 学業達成 / 行動指標 |
研究実績の概要 |
我々は,児童にみられる授業への積極的な参加行動を「積極的授業参加行動」とし,「注視・傾聴」,「挙手・発言」,「準備・宿題」の3つを抽出したうえで,その様相について検討してきた(布施・小平・安藤,2006など)。これらの行動の中で,「挙手・発言」は積極的な授業参加とみなされやすく,授業に対する動機づけも高いと考えられる。これに対し,「注視・傾聴」行動は積極的な授業参加とは見なされないことがあるものの,授業への動機づけとの関連は高いことが示されている(安藤・布施・小平,2008)。 だが,その行動を客観的に把握することは困難である。これまでの積極的授業参加行動研究では,自己報告形式の質問紙調査によって行動の測定が行われているが,そのデータの信頼性には十分でない点も指摘できる。しかし,「注視・傾聴」行動が正確に把握できなければ,それを児童の評価へと反映させることも難しい。「注視・傾聴」行動の意義を積極的に認め,教育評価へと反映させるためには,「注視・傾聴」行動を正確に把握し,それを客観的に評価するためのシステムを構築することが求められる。 そこで本研究では,児童が授業中に見せる「注視・傾聴」行動に着目し,「注視・傾聴」行動が授業理解・学業達成に及ぼす効果について明らかとすると共に,「注視・傾聴」行動を把握し,評価する方法について検討することを目的とする。 平成29年度においては,小学校5,6年生を対象に授業観察を行い,授業内での児童の積極的授業参加行動について分析した。自己報告式の質問紙調査によって測定した「注視・傾聴」得点との関連を検討したところ,「注視・傾聴」得点の高い児童は低い児童に比べて,教科書やプリントなどの資料を見ることが多く,他の児童へ話しかけたり他の児童から話しかけられたりすることが少ない傾向にあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度までに予定していた文献研究および授業観察については,実施しているが観察した授業の分析はまだ途上である。また,教師を対象とした調査については,引き続き調査協力者を求めている段階である。 また,平成29年度以降で採用予定であったITシステムについては,採用を断念し,児童の行動をより精緻に分析するために測定・分析装置を開発している。この装置については現在制作中であり,今年度に行う調査において導入する予定でいる。 以上より,達成度については「やや遅れている」と判断される。
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今後の研究の推進方策 |
今後については,調査に協力可能な教員の確保に努め,速やかな調査の実施を図る。 また,利用予定であったITシステムの代替となる測定・分析装置を用いた児童の積極的授業参加行動の検討をすすめ,「注視・傾聴」行動と授業理解との関連について検討する予定である。その結果をもとにして,「注視・傾聴」の評価システムの構築を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 現在,研究の実施状況が計画よりもやや遅れており,調査や授業分析などが実施に至らなかった。そのため,調査実施に伴う物品費,旅費,人件費・謝金などで予定通りの執行がされていない。また,使用を予定していたITシステムの代替となる測定・分析装置の開発・購入費の執行が行われていない。以上の理由のため,次年度使用額が生じている。 (使用計画) 調査・授業分析に伴うデータ整理等の代金,データ収集のための機材等の物品費,調査協力の謝金,研究課題の打ち合わせ・研究発表に関する旅費などに使用する計画である。
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