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2018 年度 実施状況報告書

人の生の潜在性と可能性に接近するTEA―文化をとらえ、分岐をつくる

研究課題

研究課題/領域番号 16K04324
研究機関立命館大学

研究代表者

安田 裕子  立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (20437180)

研究分担者 佐藤 達哉  立命館大学, 総合心理学部, 教授 (90215806)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード質的研究法TEA / 分岐点 / 文化 / 促進的記号 / 変容と維持 / 介入・支援 / キャリア / 社会実装
研究実績の概要

理論的探究1「分岐点モデル提示」/理論的探究2「介入と場の変容への接近」:TEA国際学会を、研究分担者のサトウタツヤ教授(立命館大学)とともに立ち上げ、当研究法の開発以来の共同研究者であるJaan Valsiner教授(デンマーク・オールボー大学)にお越しいただき、第一回大会を開催した(立命館大学、2019年3月2‐3日)。学会では、講演の登壇者、講習会の講師、記念シンポジウムの司会を担った。とりわけ講演では、「TEA(複線径路等至性アプローチ)の可能性―「発達」と「文化」をとらえるということ」と題し、分岐点で何が起こっているかを分析するその観点、場の変容をうながす、分岐点で発生する文化的な促進的記号の振る舞いに関する分析について検討を進め、聴講者と共有・議論した。

実践的試行「キャリアワークの推進」:自らのキャリアを描くワークを取り込いれて行う講習会を、洗練させつつ実施した。具体的には、日本パーソナリティ心理学会(立命館大学、2018年8月26日)、日本心理学会(2018年9月26日)、TEA国際学会(2019年3月3日)にて、講習会の枠組みで実施した。また、中部M-GTA研究会第2回講演会にて講師を担当した(金沢市・金沢歌劇座、2019年1月13日)。そして、昨年度に実施した、キャリアを描くワークを取り入れPBL形式により組み立てたTEA講習会の成果を、共同研究としてまとめ、日本質的心理学会第15回大会(2018年11月24日-25日)にてポスター(2件)を行い、さらなる検討を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「理論的探究」ならびに「実践的試行」を並行して推進するも、「実践的試行」に関し、研究より学生への教育上の配慮を優先すべきという環境的な制約により計画していた内容を実施することが難しく、内容の見直し・検討に時間を要した。別のかたちで研究を行うべく検討を進め、データを収集したが、公的な場での知見の発信、とりわけ論文化には時間を必要とする状況にある、というのがその理由である。

他方で、本研究課題の中心的なテーマであるTEAの国際学会をたちあげ、その第一回大会を開催したことは、特筆すべきことである。

今後の研究の推進方策

見直し再検討のうえ実施した研究で収集したインタビュー・データを分析し、学会等で発表を行いつつ、論文化により知見のアウトプットに努める。

次年度使用額が生じた理由

「実践的試行」に関し、研究より学生への教育上の配慮を優先すべきという環境的な制約により、計画していた内容を実施することが難しくなった。その後、研究内容の見直し・検討により研究を進め、データを収集したが、その成果発表が遅れている。したがって、そのデータをまとめた成果を発表するための経費にあてることを中心に、TEAに関する実践的な検討を進めるための旅費などに活用する。

  • 研究成果

    (22件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 3件) 図書 (5件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] 質的データの可視化支援ツール「NARREX」の開発―KJ法経由のTEMとそれをサポートする方法について2019

    • 著者名/発表者名
      斎藤進也・安田裕子・隅本雅友・菅井育子・サトウタツヤ
    • 雑誌名

      立命館人間科学研究

      巻: 38 ページ: 111-120

    • オープンアクセス
  • [学会発表] TEA(複線径路等至性アプローチ)の可能性―「発達」と「文化」をとらえるということ2019

    • 著者名/発表者名
      安田裕子
    • 学会等名
      The 1st Transnational Meeting on TEA
    • 国際学会
  • [学会発表] 記念シンポジウム TEA(複線径路等至性アプローチ)が切り開く未来2019

    • 著者名/発表者名
      安田裕子・Jaan Valsiner・大川聡子・北出慶子・香曽我部琢・森直久・森岡正芳・滑田明暢・サトウタツヤ
    • 学会等名
      The 1st Transnational Meeting on TEA
    • 国際学会
  • [学会発表] 人生径路・発達の複線性と文化をとらえるTEA(複線径路等至性アプローチ)2019

    • 著者名/発表者名
      安田裕子・福田茉莉
    • 学会等名
      The 1st Transnational Meeting on TEA
    • 国際学会
  • [学会発表] 学融的な人間科学の構築と科学的根拠に基づく対人援助の再編成2019

    • 著者名/発表者名
      矢藤優子・孫怡・岡本尚子・安田裕子・川本静香・鈴木華子・板倉昭二
    • 学会等名
      日本発達心理学会第30回大会
  • [学会発表] 複線径路等至性アプローチ(TEA)―過程と発生をとらえる質的研究法2018

    • 著者名/発表者名
      安田裕子
    • 学会等名
      日本パーソナリティ心理学会第27回大会
  • [学会発表] 学融的な人間科学の構築と科学的根拠に基づく対人援助の再編成―人間性(人格性)成長の一貫性を前提としたパーソナリティの探求へ向けて2018

    • 著者名/発表者名
      矢藤優子・サトウタツヤ・岡本尚子・安田裕子・鈴木華子・川本静香・神崎真実・中田友貴・肥後克己・孫怡・妹尾麻美
    • 学会等名
      日本パーソナリティ心理学会第27回大会
  • [学会発表] 教育における文化的視点の重要性―Trajectory Equifinality Approach(TEA)による分析2018

    • 著者名/発表者名
      柾木史子・豊田香・安田裕子・サトウタツヤ
    • 学会等名
      日本教育心理学会第60回総会
  • [学会発表] 人の生の歩みとその可能性を拓く―潜在的な分岐を可視化・実現する、文化心理学に依拠する質的方法論TEA2018

    • 著者名/発表者名
      安田裕子・サトウタツヤ・伊東美智子・北出慶子
    • 学会等名
      日本心理学会第82回大会
  • [学会発表] TEM(複線径路等至性モデリング)を学ぶ2018

    • 著者名/発表者名
      サトウタツヤ・安田裕子
    • 学会等名
      日本心理学会第82回大会
  • [学会発表] 虐待を受けた子どもの包括的支援を考える「捜査とケア」二者択一から、両立へ2018

    • 著者名/発表者名
      田中晶子・安田裕子・上宮愛・片岡笑美子・鈴木聡・西部智子・仲真紀子
    • 学会等名
      法と心理学会第19回大会
  • [学会発表] 妊娠期女性の職業キャリア展望2018

    • 著者名/発表者名
      妹尾麻美・三品拓人・安田裕子
    • 学会等名
      日本質的心理学会第15回大会
  • [学会発表] 家庭内において妻が夫に対して担っている「感覚的活動」2018

    • 著者名/発表者名
      三品拓人・妹尾麻美・安田裕子
    • 学会等名
      日本質的心理学会第15回大会
  • [学会発表] 「大学生のやる気はなぜなくなるのか?」複線径路等至性モデリング(TEM)による検討―マツダ株式会社・立命館大学による共同研究「質的研究アナリスト育成プログラムの開発」による体験型プログラムTEM院生版PBLからの学び2018

    • 著者名/発表者名
      田中文昭・張暁紅・浅瀬万里子・土元哲平・神崎真実・菅井育子・隅本雅友・安田裕子・サトウタツヤ
    • 学会等名
      日本質的心理学会第15回大会
  • [学会発表] 大学生のやる気はなぜなくなるのか?どのようにしてなくならないようにできるのか?―TEAによる検討2018

    • 著者名/発表者名
      岡野雄気・若杉美穂・菱ヶ江惠子・土元哲平・神崎真実・菅井育子・隅本雅友・安田裕子・サトウタツヤ
    • 学会等名
      日本質的心理学会第15回大会
  • [図書] 質的心理学辞典(社会実装、生殖(リプロダクション)、TEA(複線径路等至性アプローチ)、トランスビュー、妊娠・出産、発生の三層モデル、犯罪被害者、歴史的構造化ご招待)2019

    • 著者名/発表者名
      安田裕子
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      新曜社
    • ISBN
      978-4788516014
  • [図書] メンタルヘルスの道案内―現代を生きる30章(心の生涯発達)2019

    • 著者名/発表者名
      安田裕子
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      北大路書房
    • ISBN
      978-4762830495
  • [図書] メンタルヘルスの道案内―現代を生きる30章(不妊とストレス)2019

    • 著者名/発表者名
      安田裕子
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      北大路書房
    • ISBN
      978-4762830495
  • [図書] 質的アプローチが拓く 「協働型」園内研修をデザインする―保育者が育ち合うツールとしてのKJ法とTEM(対話を起こし、プロセス理解を支え、振り返りを促進する―質的アプローチのいかされ方)2018

    • 著者名/発表者名
      安田裕子・サトウタツヤ
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      978-4623083435
  • [図書] 質的アプローチが拓く 「協働型」園内研修のデザイン―保育者が育ち合うツールとしてのKJ法とTEM(本書を読み終えたみなさんへ)2018

    • 著者名/発表者名
      サトウタツヤ・安田裕子
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      978-4623083435
  • [備考] 複線径路・等至性アプローチ

    • URL

      https://sites.google.com/site/kokorotem/

  • [学会・シンポジウム開催] TEA国際学会2019

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公開日: 2019-12-27  

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