研究課題/領域番号 |
16K04324
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
安田 裕子 立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (20437180)
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研究分担者 |
佐藤 達哉 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (90215806)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 質的研究法TEA / 分岐点 / 文化 / 促進的記号 / 変容と維持 / 介入・支援 / キャリア / 社会実装 |
研究実績の概要 |
理論的探究1「分岐点モデル提示」/理論的探究2「介入と場の変容への接近」:保育、看護、心理といった対人援助を対象に、その変容プロセスを可視化しつつ、「文化をいかにしてとらえたか」「分岐点分析において促進的記号がいかにとらえられたか」「援助者としての発達・変容をいかにしてとらえたか」などに焦点化した知見をまとめ、発信するべく、書籍の刊行を企画しその準備を進めた。
実践的試行「キャリアワークの推進」: TEAにDST(Dialogical Self Theory:対話的自己論)を組み入れ開発された「キャリアワークシート」を活用した教育実践により、青年期大学生の個人史の振り返りがそのキャリア発達・展望にどのように有用かを検討した。ナラティブ・データを分析した結果、過去から現在に向かう「自己の持続と変容の発見」、現在から生じる「未来への志向」、未来へ向かう分岐点として「自己への動機づけ」、生成される分岐点として「外的な力の自己への取り込み」がとらえられた。このことから本教育実践は、自らの来歴が現在につながっていることを当人に意識化させる役割を果たすとともに、青年期というアイデンティティに揺れる現在へのとまどいを浮き彫りにし、未来を展望する視点を与える可能性を有すると考えられた。また、「キャリアワークシート」を構成する「I-positionシート」(分岐点における自己の対話的な様相を「パーソナル-ソーシャル」×「ポジティブ-ネガティブ」による4象限でとらえるもの)には、自己の動的な多面性が描き込まれ、その有用性が示唆された。一方で、描き方にわかりにくさがあることも否めず、その適切性の精査を含め本実践のよりよいあり方を検討する必要性が課題として認識された。なおこの知見を、日本質的心理学会第16回大会(2019年9月21日-22日)にて発表した。
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備考 |
Yasuda, Y. (2019).The qualitative analysis of the process and transition about woman’s infertile experience with TEA: Focusing on the change of sense of values. Sigmund Freud PrivatUniversitat Berlin.
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