課題Ⅰの『認知コントロール』と『心的状態語使用』の因果的役割を検討するための縦断研究については,2016年度の3歳児を2017年度(4歳児)2018年度(5歳児)と追跡調査する計画を予定通り終了した。これらのデータ分析として,Structural Equation Modelling を用いてその発達モデルの検証を行った。これらの成果をBritish Psychological Society Cognitive/developmental section conference2019に発表投稿した。 2017年度までのデータ分析結果については,国外ではJean Piaget Society2018年次大会(アムステルダム・オランダ)とBritish Psychological Society developmental section conference2018年次大会にて口頭発表を,国内では電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーション基礎(HCS)研究会にて口頭発表した。また,2017年度の国際学会での口頭発表をもとに執筆した論文が国際雑誌British Journal of Developmental Psychologyに掲載された。
課題Ⅱでは,言語使用の有無が「心の理論」の課題を処理する際に大きな役割を担っていると仮定し,これらの仮説検証のために,3歳から5歳の幼児を対象として眼球運動の測定実験を実施した。実験データ収集は2016年度に終了し,成果発表を2017年度に行った。それらからみえてきた課題に対応するために,実験デザインの修正を行い,2018年度に第2実験を実施した。これらの視線解析データの処理が終了し,その研究成果は,International Cognitive Linguistics Conference 2019で発表予定である。
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