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2017 年度 実施状況報告書

DMM-AAIの妥当性検証研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K04337
研究機関北海道教育大学

研究代表者

三上 謙一  北海道教育大学, 保健管理センター, 准教授 (90410399)

研究分担者 戸田 弘二  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (60207579)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード成人アタッチメント / アダルト・アタッチメント・インタビュー / アタッチメントと適応の動的-成熟モデル / DMM / 心理療法の効果測定
研究実績の概要

DMM-AAIはMainらが開発したアダルト・アタッチメント・インタビューをCrittendenが自ら発展させた「アタッチメントと適応の動的-成熟モデル」という新しいアタッチメント理論に基づいて、臨床群により適用しやすいように修正したものである。本研究ではアセスメントツールとしてのDMM-AAIの妥当性を検証するために、当初は健康な大学生のデータを集めていたが、その後、実際の心理療法場面にDMM-AAIを適用することによって、より臨床実践に近いデータを集めることにした。具体的には、心理療法の開始時と終結後に二度にわたってDMM-AAIをクライエントに実施した。その結果、開始時にDMM-AAIを行うことで、心理療法の焦点をアタッチメントの問題に焦点づけることが可能になった。また終結後にDMM-AAIの質問項目を一部修正したDMM-AAI(B形式)を実施することによって、心理療法の効果を測定した。なおこれらのデータの分析の信頼性を確保するため、データは日本語から英語に翻訳され、開発者のCrittenden博士にアタッチメントの分類を依頼した。この結果、心理療法で生じた変化をDMM-AAIによって確認することができた。このことからDMM-AAIは心理療法においてクライエントの問題を的確に捉え、なおかつその変化を客観的に測定することが可能であるということが示され、極めて臨床的妥当性の高いアセスメントツールであることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

DMM-AAIをクライエントに実施して、実際の心理療法実践に役立つかどうかを検証できたのは今後の研究に向けて大きな意味があった。なお、さらに若い年代用に開発されたTAAI(成人移行期アタッチメント・インタビュー)も習得する予定であったが、講習会が開催されなかったため、今回は習得をあきらめざろうえなかった。

今後の研究の推進方策

DMM-AAIの習得は一回講習会に参加すれば良いというものではなく、今後も継続的な訓練が必要となる。また信頼性を確保するために、日本語のデータを英語に翻訳した上で、開発者であるCrittenden博士にコーディングをしてもらい、細かく指導を受けながら、少しずつ日本での適用を拡げていきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

参加を予定していた海外の講習会が開催されなかったため。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 心理的に不安定な友人からの自殺の脅しに悩む学生への介入の方法について―アタッチメント理論からの考察―2018

    • 著者名/発表者名
      三上謙一
    • 雑誌名

      学校臨床心理学研究(北海道教育大学大学院紀要)

      巻: 15 ページ: 3-10

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] アタッチメントと適応の動的―成熟モデル(DMM)から見た青年期のアタッチメントの発達過程-DMM-AAIを用いた心理療法効果測定の試み-2018

    • 著者名/発表者名
      三上謙一
    • 雑誌名

      思春期青年期精神医学

      巻: 27 ページ: 91-101

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アタッチメント理論から考える保育者のサポート2017

    • 著者名/発表者名
      三上謙一
    • 雑誌名

      子育て支援と心理臨床

      巻: 14 ページ: 48-52

  • [学会発表] アタッチメントと適応の動的-成熟モデル(DMM)による非行・犯罪へのアプローチ2017

    • 著者名/発表者名
      三上謙一
    • 学会等名
      犯罪心理学会第55回大会
  • [学会発表] アタッチメント関係と自伝的記憶2017

    • 著者名/発表者名
      三上謙一
    • 学会等名
      日本心理学会第81回大会
  • [学会発表] アタッチメントと適応の動的-成熟モデル(DMM)から見た青年期のアタッチメントの発達過程2017

    • 著者名/発表者名
      三上謙一
    • 学会等名
      日本思春期青年期精神医学会第30回大会
  • [図書] こころの医学入門2017

    • 著者名/発表者名
      三上謙一
    • 総ページ数
      330
    • 出版者
      中央法規
    • ISBN
      978-4-8058-5495-2

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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