研究課題/領域番号 |
16K04338
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
奥野 雅子 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (60565422)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 家族療法 / 面接場面 / ジェンダー |
研究実績の概要 |
家族療法の面接場面において、臨床心理士の資格をもつ経験のある家族療法家と初学者である家族療法家にインタビュー調査を行ってきた。経験のある家族療法家は、セラピストが2人以上の面接場面で、メインセラピストの役割を担当した経験を有していた。一方、初学者の家族療法家は、臨床心理士資格取得の受験が可能であるトレーニング中のセラピストも含まれた。両者とも、サブセラピストあるいはメインセラピストと共に面接に参加した経験があることを条件とした。 検討内容は、家族療法の面接を進める上で直面した性差やジェンダーの問題、それらの問題についての対応、メインセラピストあるいはサブセラピストとの関わり方、セラピスト間の関わり方について変化した点である。これらの結果より、メインセラピストがどのようにサブセラピストに関わるか、そして、サブセラピストの機能やトレーニングのありかたについても知見を提示することができた。これらの知見を基に、実際に行った事例を検討した。事例は、発達障害の子どもを抱える両親への支援、不登校の子どもを抱える両親への支援について、学会発表を行った。また、うつを呈するシングルマザーの支援について論文執筆を行い、学会誌に掲載された。 さらに、このような家族療法の面接を進める上で、コロナ禍における家族の変化を検討する必要があると捉えたため、就労形態(テレワークの有無)、夫婦関係、家族関係についてどのように変化したかについて、父親200名を対象にして、インターネット調査を行った。 現在、その結果を分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルスの感染拡大予防のため、さらなるインタビュー調査が行えず、研究を進めることが困難になった。また、コロナウイルスの感染予防のためのさまざまな配慮に多大なる時間を使わなければならず、精神的身体的にかなりのエネルギーを要した。 一方、オンラインで学会発表を行うことができた。また、論文執筆を行い学会誌に掲載された。 さらに、コロナ禍でも研究ができるような方法論を模索し、インターネット調査を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、インターネット調査で得られたデータの解析を進めている。その結果をもとに学会発表と論文執筆を進める。 今後は、コロナ禍の影響も含めて、家族を対象にジェンダーの視点も含め、さらなるインターネット調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による影響で海外出張に行けなかったこと、インタビュー調査が計画通りに遂行できなかったことがある。そこで、次年度は、インターネット調査に方法を変更することを考案中であること、学会発表出張に行けることを希望している。
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