研究課題/領域番号 |
16K04351
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
篠田 直子 信州大学, 学生相談センター, 助教(特定雇用) (00758948)
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研究分担者 |
高橋 知音 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20291388)
篠田 晴男 立正大学, 心理学部, 教授 (90235549)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 障害学生支援 / 認知的柔軟さ |
研究実績の概要 |
1)大学生の発達障害支援に関する情報収集 国内外の学会に参加し、大学生の発達障害、特に自閉症スペクトラム障害(ASD)と注意欠如・多動性障害(ADHD)について情報収集を行った。また、北コロラド大学障害支援部門を訪問し、障害学生支援の現状を確認した。 2)「認知的柔軟さ」に関する質問紙の作成 成人、大学・大学院生を中心とした自閉スペクトラム症やその傾向に関する質問紙に関する先行研究のレビューを行うとともに、当事者の手記、事例報告論文から、ASDのある人が大学生活において経験する「認知的柔軟さ」に関する問題を抽出した。大学生以上の年齢をサンプルとした研究は非常に少なかったため、幼児期や児童期も含めて情報収集を行った。抽出された状態から質問項目を執筆した。質問項目の内容や表現のわかりやすさ、妥当性等を確認するために予備調査用の質問紙を作成し、信州大学および立正大学にて大学生を対象に実施した。認知的柔軟さ以外に自閉症スペクトラム指数(AQ)や大学生版ADHD尺度(ADHD特性尺度)も同時に回答を求めた。得られたデータについては、認知的柔軟さ尺度は探索的因子分析を行い、AQやADHD特性尺度の下位尺度との相関から妥当性の検証を行った。 3)ワークショップを実施する際の行動記録システムを構築 試みとして発達障害特性の困り感尺度を自己理解のためのツールとして用いたSSTプログラムを実施し、分析方法を検討した。ミーティングレコーダー(KING JIM社製 MR360)による4分割映像と360度カメラ(Kodak社製 PIXPRO SP360)による360度映像にて,動画による記録を行った。また,ICレコーダー(オリンパス社製)を用いて,音声データの記録も行い、スクリプト分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ASDの「認知的柔軟さ」に関する先行研究および手記等の成人研究は少なく、十分な情報が得られなかったので、対象を全年齢に、また、障害の範囲を摂食障害や精神障害に広げて情報を収集したため、質問紙を作成するのが遅れた。 一方で、ワークショップの行動解析については、類似した内容のグループワークにて、記録方法や分析方法を検討し、実施できる段階にある。
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今後の研究の推進方策 |
質問紙の作成に関しては、平成29年度初旬に、検討してきた質問紙と認知行動検査(ウィスコンシンカード分類課題(WCST-KFS)等の高次脳機能検査)を実施し、質問紙の妥当性および信頼性を検証するとともに、特にshiftingに関連する下位尺度の特定・確認を行う。 質問紙の検討終了後すぐにワークショップを実施できるように、教材を準備する。ASDの大学生に具体的に実施されている国内外の材料をそろえる。そのうえで、ADHD傾向のある大学生に対するプランニング・スキル・アップWS(篠田、2013)に作成中の質問紙を組み込みWSの主要な検討課題のひとつとして取り上げる。”EFの説明”および「認知的柔軟さ」の拙さに関連する”起きがちなミスとその対策”において、最新の研究や自叙伝から得られたエピソードを組み込むとともに、プランニングの修正のセッションにおいて、“柔軟な”修正の練習を、時間をかけて行う。 信州大学長野キャンパスと松本キャンパスを遠隔会議システムで結んで実施。全方位カメラを活用し、複数サイトで自然にワークが展開できるような環境を整備する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予備的なワークショップの実施が1回、参加者5名しか行えなかったため、謝礼および分析補助としていた費用が使用できなかった。また、質問紙のみの予備調査であったため、回答者に謝礼が必要なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、質問紙に加え認知行動検査を実施、また作成された質問紙を使ったワークショップの予備的検討を行うため、調査実施者、ワークショップ参加者への謝礼が増加するとともに、分析補助者への支払いが増額する予定である。特に、行動分析には、多くの時間を費やすことが想定される。次年度使用額は、平成29年度請求額と合わせて、これらの費用に使用する。
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