研究課題
第一段階研究平成28年度実施調査の成果である、日本に在住する外国人児童において日本語能力によって、ウェルビーイングに相違があることや、保護者調査からは、多くの保護者が日本での高等教育を期待していることや外国人児童の義務教育から高校への繋ぎが課題であること、また特に日本語能力の低い児童にとって学校生活における教員の存在が、ウェルビーイングに重要であることなどの成果を学会誌(査読、最優秀論文賞受賞)に発表した。第二段階研究平成28年度から29年度に実施収集した日本人児童、日本在住の外国人児童、モンゴル人児童、フィンランド人児童 計1000名を対象として、より質的なウェルビーイングの現状解明を行うために、主観的幸福感について質的調査(国際比較)を行った。方法は、大山ら(2010)の主観的幸福感(sense of happiness)のSCTを参考として児童版を作成し、各国言語に翻訳実施した。これらの調査は名古屋大学教育発達科学研究科研究倫理委員会の承諾を得て実施した。成果は、平成31年3月の国際公開セミナー(「日本とフィンランドの子どもにおける主観的幸福を語る夕べ」、名古屋大学)で一部公表、他成果は平成31年7月の国際児童青年精神医学会において発表し、学会ポスター賞を受賞した。現在、本成果は学術英文誌に投稿中である。本研究の結果、日本に在住する外国にルーツをもつ児童のウェルビーイングに総じて課題が多いこと、特に日本語能力との関係があること、また教育現場では担任教師の存在が彼らにとって重要な他者となり得ることが示唆され、今後の教育現場に貢献する知見が得られた。
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学校メンタルヘルス
巻: 22(1) ページ: 1-11