軽度認知障害(以下MCI)、軽度アルツハイマー病(以下AD)群を対象とし、エピソード記憶と語彙的知識に関する記憶モニタリング課題を行った。日常生活での記憶モニタリングに関する評価も行い、モニタリングの正確性について検討した。その結果、エピソード記憶のモニタリングはMCI、軽度ADは健常高齢者よりも低下し、記憶に関する過大評価が示された。一方、語彙的知識の記憶モニタリングの正確性には3群間に有意差はなく、軽度ADにおいても保たれていると考えられた。日本版成人メタ記憶尺度では変化因子でのみ有意差があり、MCI、軽度ADは健常高齢者より記憶機能において年齢による変化を感じていないことが示唆された。
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