研究課題/領域番号 |
16K04364
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研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
内野 悌司 広島修道大学, 健康科学部, 教授 (00294603)
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研究分担者 |
小島 奈々恵 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 講師 (20726963)
黄 正国 広島大学, 保健管理センター, 講師 (80735275)
栗田 智未 福井大学, 保健管理センター, 講師 (90467788)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 学生相談 / 困っていること / 生き抜く力 / 心理教育 |
研究実績の概要 |
研究2年目の平成29年度には、平成28年度に実施した「学生が困っていること及び関連する心理学的要因の調査」結果に基づき、学生のもつ「困りごと」や「問題状況」について「対処法を学ぶ」ことができるようデザインされた個人学習型のe-Learningプログラムのドラフト版を作成した。 e-LeaningのWebコンテンツは、レベル1からレベル5の構造となっている。レベル1では学生相談で扱う問題カテゴリとして、レベル2では小カテゴリとして、レベル3では「問題を定義する悩みのフレーズ」として実際の主訴に当たる相談内容が複数項目表示される。レベル4では、「問題のリフレーミング(事実に対して学生本人が与えている意味づけを変え、異なる見方で問題をとらえ直す)を行い、問題を改善するための問いかけ」の内容が示され、レベル5では、問題の改善のためのプロセスにおけるショートステップ的な対処方策が示されている。このプログラムを通じ、学生は自分のもつ困りごとや問題状況に該当する項目を探索し、「問題を定義する悩みのフレーズ」を見つけ、問題へ対処するためのヒントとなるような具体的な対処法を学ぶことができる。 そして、苦境に対処するためのスキルと態度を身につけ定着できるよう、集団で演習するワークショップ・プログラムである心理教育プログラムを作成しているところである。 これら2つの心理教育プログラムを実施することで、学生が生きづらさと取り組む上でのセルフマネジメントの向上、さらに学生全体のヘルスプロモーションの向上に資すると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の研究計画であった、e-Learningプログラム及びワークショップ・プログラムの作成がおおむね順調に進んでいると考えられるからである。 これまでの研究経過については、2017年11月に日本心理臨床学会第36回大会で発表し、2018年6月に開催される学会International Congress of Applied Psychology 29thにおいて発表予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度には、学生が直面している困りごとや問題状況を自分自身で対処することを目標とする問題改善アプローチと苦境において他者や専門相談機関に相談してみようという態度を促すことを目標とする態度変容アプローチを行う2つの心理教育プログラムを開発する計画である。 1つ目は個人で学習できるようe-Learningプログラムの開発、2つ目は苦境に対処するためのスキルと態度を身につけ定着できるよう集団で演習するワークショップ・プログラムの開発である。e-Learningのドラフト版及びワークショップ・プログラムを作成したが、今後はそれを実際に学生に試行し、プログラムについて評価をしてもらい、それに基づいてプログラムを修正することが課題となっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
来年度2018年6月に開催されるInternational Congress of Applied Psychology 29thにおいて、これまでの研究成果を発表する予定であり、その旅費や発表準備の研究会議にかかる費用の充足にあてる計画である。
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