青年期高機能自閉症スペクトラム障害(HFASD)を対象とした短期集中型「自己理解」プログラムを試みた。その結果、次の4点が明らかになった。①適応に大きな問題がなくても、潜在的な不安(特に社交不安)が高い。②不安の高さが阻害要因として「自己理解」から「自己決定」へステップアップすることに困難さが増す。③「自己決定」へのステップアップには、青年期モデルとしての仲間の存在や居場所作りが重要である。④女性HFASD の場合、身体感覚への理解を進めながら女性独自のプログラム開発が重要である。したがって、「自己理解」から「自己決定」がさらに促進されるために、「効果の可視化」を進めることが今後の課題となる。
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