大学生のストレス対処能力を高めるｅラーニングシステムの開発

2018 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 16K04369
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 松下 智子 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (40618071)
• 研究分担者: 梶谷 康介 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (10597272) ; 川本 淳平 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (10628473) [辞退] ; 福盛 英明 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (40304844) ; 李 暁燕 九州大学, 共創学部, 准教授 (70726322) ; 小田 真二 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 講師 (60618073) ; 高柳 茂美 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 講師 (80216796) ; 舩津 文香 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 講師 (80778928)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: eラーニング / 大学生 / ストレス対処 / 健康教育

研究実績の概要

本研究では、大学生のストレス対処能力や心理的な成長、メンタルヘルスについての学びに焦点を当てたeラーニング教材開発を行うことを目的とした。平成28年度は、教材の試作版を作成し、大学生に視聴してもらい、その効果等を検証することを目的とした調査研究を行った。その結果、視聴によって精神的健康度の改善およびストレス対処法やメンタルヘルスの知識の向上が見られることが明らかとなった。平成29年度は、上述の調査研究で得られた視聴教材についての感想や評価についての結果を分析した。その結果、教材の分かりやすさ、内容への関心度、役立ち度などについて肯定的な回答が多かったものの、教材の技術的な部分への意見として、教材のスピードや音の改善、字幕、実習動画の必要性が挙げられた。
そのため、平成29年度から30年度にかけて、技術的な問題をクリアすべく、学内の教材開発センターの協力を仰ぎながら改訂版を作成することにした。平成30年度は、新たな教材として、リラクゼーションとストレッチングの実習動画と、感情のコントロールや人間関係に関するeラーニングのコンテンツを追加し、これらの英語・中国語版を完成させた。そして、筆者らが担当する授業内で当サイトを紹介するとともに、学内の学生相談機関（および保健管理施設）のホームページにリンクを貼り、多くの大学生の目にふれることができる環境を整えた。
eラーニング教材では、学生の主体性やモチベーションをいかに引き出すかが重要である。今後の課題として、動画配信の工夫に加え、学生のニーズを聴いていきながら、共に作成していくという姿勢が求められる。また、ストレス対処能力は知的な理解だけでなく、実生活に活かされることが必要である。この点については、授業やワークショップなどの実体験との連動をはかり、有効な在り方を模索していくことを検討中である。

研究成果

• [雑誌論文] 大学生のストレス対処能力を高めるe-ラーニングプログラムの開発―経過報告― (2019)
  • 著者名/発表者名: 松下智子・福盛英明・高柳茂美・梶谷康介・李暁燕・小田真二・舩津文香
  • 雑誌名: 九州大学学生相談紀要・報告書 巻: 5 ページ: 55-64
• [備考] ３RESQ-Pセルフケアプログラム
  • URL: http://webpages.ihs.kyushu-u.ac.jp/~selfcare/index.html