令和元年度においては、本研究の目的である、(1)対象児のプレスキル,および親の支援スキルのアセスメントデバイス,(2)コンピュータ支援指導教材を実施する指導デバイス,(3)親の集中支援の補助をするアシスタントデバイス,(4)対象児の学習と親の支援スキルの変化の記録デバイス,(5)Skypeやメールなどを通じたコンサルテーションデバイスの5つのデバイスとしてICTを包括的に用いる,包括的早期集中支援サポートシステムの効果の検討のうち、(1)、(5)についての検討を行った。 具体的には、作成した包括的なセラピストチェックリスト(Therapist Skills Check List以下TSCL)の先行刺激,行動,後続刺激に関わる項目について,項目反応理論の手法を用い、項目ごとのスキル獲得の難易度と指導員の指導スキル評価の識別力の高い項目の検討を行った。 障害児通所支援事業所に支援を行う5名の指導員の評価データで分析を行った結果、TSCLは,能力の高い層に対する識別力が高いこと、項目のカテゴリ別での困難度は行動面が最も低く、後続刺激、先行刺激の順で高くなることが示された。また、77項目中、識別力の高い17項目を抜き出すことができた。これらの結果は、日本行動分析学会第37回年次大会において発表された。また、これらの結果について再分析を行ったものを、論文としてまとめ、投稿予定である。
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