研究課題/領域番号 |
16K04380
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
山口 創 桜美林大学, 心理・教育学系, 教授 (20288054)
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研究分担者 |
本田 美和子 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 医長 (40575263)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ユマニチュード / 自閉症スペクトラム障害 / 身体接触 / 視線 |
研究実績の概要 |
1.最終年度に実施した研究の成果 【目的】平成30年度は、自閉症を有する子どもに対し、母親以外の人物によるユマニチュードに基づく介入を行うことの効果について明らかにするための実験を行った。医師による自閉症スペクトラムの診断がある自閉症スペクトラムの症状のある3歳~9歳児計8名を対象とし、3週間の介入を行った。介入は、参加者と目を合わせ、距離を近づけて挨拶することや、触れることを主眼としたものであった。指標は、施術前後に参加者の唾液を採取しオキシトシンの含有量を測定した。また第1回目の施術前と最終回の施術後に質問紙調査(東京自閉行動尺度、対児感情尺度、母性意識尺度)を参加者の母親を対象に行った。研究の結果、介入初回の施術前後において、参加者のオキシトシン濃度は3.20から8.00に増加した。介入3週間後には、施術前の数値が、3.60に増加していた。この結果より、本実験の介入により普段からのオキシトシンの分泌が促され、その結果不安が低減したことがわかる。さらに東京自閉行動尺度の「くせ・きまり得点」、「自閉症状の強さ」について、介入による効果が確認され、介入により不安症状が軽減した結果、症状が全般的に緩和されたと解釈できる。 2.補助事業期間を通じた全体の結果 3年間の補助事業期間のうち、1年目は実験の準備に費やした。2年目は自閉症児に対して医師と養育者によるによるユマニチュードに基づく長期的な介入効果を検討した結果、自閉症状が緩和され、対人志向が高まる効果が確認された。3年目は施設職員による介入効果を検討した結果、オキシトシンの分泌が促され、特に不安やストレスが原因とされる自閉症状が緩和される傾向が確認された。今後、自閉症児の対人関係(家庭と施設職員)すべてにおいてユマニチュードに基づく接し方をすることで、症状の全般的な緩和が期待できる。
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