研究課題/領域番号 |
16K04394
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
佐藤 順子 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (90566233)
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研究分担者 |
仲秋 秀太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (80315879)
三村 將 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00190728)
成本 迅 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30347463)
川口 彰子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (20632699)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 社会的孤立 / 介護研究 / 認知症 / ソーシャルサポート |
研究実績の概要 |
精神症状を併発する認知症患者とその介護者の社会的孤立の実態の把握と、社会的孤立を緩和する有効な治療プログラムの確立は、認知症患者と介護者への安定した支援体制の構築に大きく寄与する。以上の背景のもとに、1. 軽度認知障害患者の独居と非独居の高齢者を比較し、社会的孤立の実態に関しての検討 2. 認知症に随伴する精神症状を抱える介護者のコーピングスキルとそれに関連した孤立感、介護負担などを検討 3. 介護者カウンセリング(精神症状への行動的介入療法、介護者の不眠に対する認知行動療法)と介護者へのソーシャルサポートの適正化も含めた統合的介入方法の効果を検証した。結果: 本研究の成果により、軽度認知障害患者の独居と非独居の高齢者のコーピング能力と生活管理能力の差異が明らかになった。独居の軽度認知障害患者は社会的に孤立し、うつや不眠なども目立つ。また、認知症に併発する精神症状の介護に苦しむ介護者は、介護負担が重いでだけではなく、うつや不眠を併発し、社会的に孤立し、否定的なコーピングを行うことも明らかになった。しかし、介護者への適切なソーシャルサポートを視野にいれた統合的介入方法により、認知症の精神症状介護の負担が重い介護者においても、社会的孤立が緩和されることも示した。このように薬物療法に比較して、コストやリスクの低い新たな統合的介入方法の開発は、国内外での初めての試みであり、介護者の社会的孤立を緩和する方略を検討した意義は大きい。
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