研究課題/領域番号 |
16K04408
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
瀬藤 乃理子 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (70273795)
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研究分担者 |
坂口 幸弘 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (00368416)
片桐 祥雅 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60462876)
福森 崇貴 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (50453402)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 共感性疲労 / マインドフルネス / ストレスケアプログラム / セルフケア / 支援者ストレス / 気分変化 / 生理的変化 |
研究実績の概要 |
令和元年度は、「共感性疲労予防プログラム」を受講した参加者の、プログラム前後の主観的評価(受講感想の質的分析、プログラム中の気分変化など)と、プログラム中の客観的評価(体温、心拍変動、脳波推移)の下記の解析結果を学会および論文にて発表した。 <主観的評価>プログラム参加者169名へのアンケート調査では、90%以上の参加者が「満足」「とても満足」と回答し、自由記述欄の質的分析では、セルフケアの【知識や技術の獲得】【実践への動機づけ】【気分の変化】【身体感覚の変化】【自己の振り返り】の5つのカテゴリーが抽出された。特に、参加者の多くが後半の実技演習で、「気持ちが落ち着いた」「体が温かくなった」などの気分や体の変化を体感していた。TDM-ST尺度によるプログラム前後の気分変化では、「覚醒度」は変化がなく、「活性度」「安定度」「快適度」の有意な正の変化が認められ。本プログラムの実技では、<静と動>の変化、<演習形態(1人・2人組)>の変化、<音楽やリズムの変化>など多様な変化が組みこまれ、すべての実技が3分程度と短く、セルフチェックが入るため、気分が活性化しリラックスしても、眠くなる・緊張が上がるなどの覚醒度の変化は生じないと考えられた。 <客観的評価>生理的指標では、体表温度の漸次的な上昇と、被験者全員にプログラムの後半にLF、HFの高い振幅がみられるという結果であった。脳波のパワーも漸次的に増加していた。本プログラムの後半に参加者が共通して見られたHFの急上昇やLF/HFの漸次低下は、気分変化と自律神経系の両面で何らかの好影響を及ぼしている可能性が示唆された。 本プログラムの演習では、静と動のマインドフルネスの実技を交互に行うが、1つの実技時間が短くても、セルフチェックとそれらの実技を組み合わせることで、気分や自律神経系の安定につながる可能性が示唆された。
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