研究課題/領域番号 |
16K04409
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
土井 晶子 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (10465677)
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研究分担者 |
小室 弘毅 関西大学, 人間健康学部, 准教授 (30551709)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ポジティブメンタルヘルス / フォーカシング |
研究実績の概要 |
個人と組織の「強み」に着目し、エンパワメントを目的とする「ポジティブメンタルヘルス」を職場と学校教育において促進するために、本年度はまず、文献調査を行った。内外の文献を収集し、ポジティブメンタルヘルスについて現在の研究や実践報告をレビューし、課題について検討した。ポジティブメンタルヘルス推進にあたっては、「一つの価値観」や「単一の方向性」を全員に押しつけるというリスクも考えられる。そのような事態を避けるためには、個人のライフキャリアにおいて、その人が今、何を大事にしているかという「価値観」を尊重し、今ここの時点での「よい生き方」を支援することが重要であることを指摘した。
研修を通じて、ポジティブメンタルヘルスに関心のある産業保健スタッフ(保健師・看護師等)と協働していくため、希望者を募ってメーリングリストを開設し、相互の情報共有のためのプラットフォームを設立した。
また実践においては、これまでに実施したポジティブメンタルヘルス研修の実践をまとめ、学会にて報告した(土井、2016)。さらに、イギリス、ノッティンガム大学を訪問し、Dr, David Murphy氏(Associate Professor, Dep. of Education)をはじめとする現地研究者とディスカッションを行い、「個人を尊重する」ことと「ポジティブメンタルヘルス」を両立していくための助言を得た。また、ノッティンガム大学大学院においてポジティブメンタルヘルスをテーマとしたフォーカシング・ワークショップを実施し、大学院生からのフィードバックを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年2月末に母が死去し、その看病・死亡後の手続き・片付け、また残された父の介護等に忙殺されたため。
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今後の研究の推進方策 |
ポジティブメンタルヘルス研修に組み込むことのできる体験型のワークを、フォーカシング以外のものにも拡大し、研修のバリエーションを増やすため、多様な心身技法についてさらに検討を行う。ポジティブメンタルヘルスの理論的研究、特に「組織の活力」と「個人の満足」のバランスを取るためにポジティブ心理学とperson-centered approachをどのように組み合わせるかについて整理を行う。また、ライフキャリアの視点から、特に働く女性の価値観の変遷を明らかにし、ポジティブメンタルヘルス研修に活かすための調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
母の病気および死亡のため、予定していた国際学会の参加を取りやめるなど、研究計画に遅れが生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度に行う予定であった学会発表、調査等に使用する。
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