• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実績報告書

小児医療職観点を加味した養護教育専攻課程における医療事故予防教育法の新規開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K04448
研究機関北海道教育大学

研究代表者

岡田 忠雄  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30344469)

研究分担者 山田 玲子  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10322869)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード養護教諭 / 医療事故 / 予防教育 / 小児医療職 / 学校 / 医療訴訟 / 法的責任
研究実績の概要

【目的】学校事故訴訟判決に影響を与える法的要点や危機管理を調べ、小児医学の講義や演習資料とし有用性を検討した。
【対象】昭和31年から平成8年の学校事故(負傷・死亡例)における判例61件と当専攻所属学生【方法】学校事故判例と論文等調査を行い、小児医療職観点も加味して、1)学校事故の判決に影響を与える法的要点、2)医療リスクマネジメント、3)学校事故判例における原因と病態、応急処置法等を調べアルゴリズムとして小児医学や演習資料とし対応の禁忌肢も加味し、医療リスク軽減に「役にたったか」等を調査した。
【結果・考察】1)判決の判断に影響を与える法的要点は、①事故発生の危険性を具体的に予見することが可能である予見可能性の特段の事情があるか否か(14件検討)と②事故の内容や発生状況等が学校における教育活動、およびこれと密接不離関係にある生活関係か否か(3件検討)であった。2)学校では、「一度起きたことは再び起きる可能性があること」「他校で起きた事故は自校でも起きる可能性があること」「学校には、他の組織にはない特有の危機があること」を十分認識し、様々な危機をリストアップする必要が示唆された。3)1例を挙げると、徳島地裁S47.3.15[高等学校養護教諭損害賠償請求事件]X:死亡した生徒(発汗と吐き気で保健室来室後)A:養護教諭、[死因]母親が解剖を拒否したため、断定はできないが急性心臓死であることは間違いないとの判例記載に対して、まずXに対する解剖がなされておらず死亡原因が特定されていないことが問題点であり、学校で一過性の暑気当たりという安易な判断をしていた。即時に校医に連絡して相談する等の児童・生徒管理を行う旨を強く示唆し、学生も医療事故予防として有用であったとした。
【結語】小児医療職観点による学校事故訴訟判例分析を用いた医療事故予防教育は、学生ニーズにつながる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 小中学生の疲労自覚症状とその要因に関する文献検討2019

    • 著者名/発表者名
      池上佳那、山田玲子、岡田忠雄
    • 雑誌名

      北海道教育大学紀要(教育科学編)

      巻: 69 ページ: 321-328

  • [学会発表] 学校救急処置におけるバイタルサイン観察の活用-養護教諭の臨床判断能力育成への取組み-2019

    • 著者名/発表者名
      山田玲子、岡田忠雄、葛西敦子、福田博美、佐藤伸子
    • 学会等名
      第65回日本小児保健協会学術集会
  • [学会発表] 小学生の疲労自覚症状と生活状況およびバイタルサインとの関連2019

    • 著者名/発表者名
      山田玲子、岡田忠雄、池上佳那
    • 学会等名
      日本学校保健学会第66回学術集会
  • [学会発表] 養護教諭養成課程学生の学校救急処置における臨床判断能力の準備状況2019

    • 著者名/発表者名
      山田玲子、岡田忠雄、葛西敦子、福田博美、佐藤伸子
    • 学会等名
      日本学校保健学会第66回学術集会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi