研究課題/領域番号 |
16K04449
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
福島 裕敏 弘前大学, 教育学部, 教授 (40400121)
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研究分担者 |
吉崎 聡子 弘前大学, 教育学部, 助手 (00361006)
吉中 淳 弘前大学, 教育学部, 教授 (10341629)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 教員養成 / 効果検証 / 職業的社会化 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、弘前大学教育学部における教員養成改革の効果を、学部生・卒業生を対象とする定量的・定性的調査を通じて明らかにすることにある。 平成29年度は、計画にもとづき、①改革第Ⅲ世代(2016年度以降入学者)については、各年次につき2回程度、教職意識に関するアンケート調査を実施した。②第Ⅱ世代(2011年度以降入学者)については、同様の教職意識に関するアンケートを調査を実施するとともに、青森県小中学校教員採用予定者と同初任者に対するインタビュー調査を実施した。 実績としては、上記②に関わって、2011~2013年度入学者を対象とし、一年次から四年次までの教職志望・非教職志望度の変化をもとに5つに類型化し、教職観や教員の資質能力の重要度・向上感などの類型間の違いを明らかにした。それによって、たとえばカリキュラムの中で、一年次において学級経営の重要さや自身や子ども理解力を認識させていくことなどが、学生を教職へと向かわせる上で必要であることなどを明らかにした。また同じく②に関わって、昨年に引き続き、教員養成カリキュラム体験と初任期の教職社会化との連続性を考察し、教員養成カリキュラム体験の意義を明らかにした。特に、入職後の社会化経験において困難を抱えた事例では、その困難として教員養成カリキュラムを通じて得られた信念が自らの実践にうまく活かせていないこと、あるいは困難を抱えていない場合でも自らの教員養成カリキュラムを通じて形成された信念が迷いや葛藤を抱いたときに重要な役割を果たしていることなどを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
継続してアンケート・インタビュー調査を実施してきており、その成果を学会などで公表してきている。ただし、学会などでの報告を活字化することができていないことが、残された課題となっており、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、②第Ⅱ世代(2011年度以降入学者)に対する教職意識と青森県小中学校教員採用予定者と同初任者に対するインタビュー調査を実施していくとともに、残された課題となっているその成果を学会誌などで公表していきたい。また①改革第Ⅲ世代(2016年度以降入学者)についても教職意識に関するアンケート調査を実施していくこととするが、その一期生が卒業年度を迎えるのは次年度であるため、本格的な分析はそれ以降となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定されたインタビューが対象者の都合によりキャンセルとなったこと、また校務との関わりで予定されていた学会における情報収集が難しくなったこと、さらに当初案では旅費が不足する予定であったため、統計ソフトのアップグレードを控えたことが挙げられる。 申請時の研究費からの減額ゆえ、旅費が不足する予定であるため、その補填に使用するとともに、執行状況を見据えながら、統計ソフトのアップグレードに使用する予定である。
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