本研究の目的は、弘前大学教育学部における教員養成カリキュラム改革の効果検証をおこなうため、次の①~③のカリキュラム改革世代に属する学部生・卒業生を対象としたアンケート・インタビュー調査を実施することにある。①第Ⅲ世代(2015 年度以降入学者)の教職意識調査(アンケート調査・インタビュー調査)②第Ⅱ世代(2011 年度以降入学者)の教職意識調査(アンケート調査・インタビュー調査)③第Ⅰ・Ⅱ世代(2004 年度以降入学者)の教職意識調査(インタビュー調査) 特に、本年度は、上記①に関わって、これまで教育実習関連科目の前後を中心として、定期的に学生に対しておこなったアンケート調査結果に、入学前(入試方法、出身高等学校等)・在学中(各学期のGPA等)・卒業後(進路等)のデータを加えたIRデータベースを構築し、それにもとづき学生の教職志望度・非教職志望度の変化を類型化し、その分化をもたらす要因について考察した。結果、入試方法の改善、教員養成カリキュラムの理念についての理解深化、教員像や授業像の転換、教育実習後の省察の深化等、実践的な課題を明らかにした。その成果を、日本教育大学協会研究集会において発表するとともに、同協会の研究年報の推薦論文として掲載された。 ②については、卒業後5年過ぎた県内教員に対するインタビューを予定していたが、新型コロナウイルス対策のため中止せざるを得なかった。また③については、教職大学院が実施した研修を通じて、卒業生の現状や教員としての職能成長に関する基礎的知見を得た。
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