日本では、大学の評価がランキングに支配されている。政府による研究・教育支援も競争を促す傾向が強い。競争は発展の動機になるが、一方で現場ではさまざまな弊害がある。その一つに、入学生が大学をランキング(偏差値)で選ぶことに伴う、大学で何を学ぶのかというアイデンティティの喪失がある。本申請に基づく研究では、工業学校の歴史に着目し、大学昇格にともなう関係者の見解を調査した。過去の工業学校がどのように自校を認識していたかを把握することで、現在においても、学校独自の存在意義を評価する基準を与えることにつながる。
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