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2016 年度 実施状況報告書

アクティブ・ラーニングを生かしたカリキュラムと評価方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K04469
研究機関京都大学

研究代表者

田中 耕治  京都大学, 教育学研究科, 教授 (10135494)

研究分担者 西岡 加名恵  京都大学, 教育学研究科, 准教授 (20322266)
石井 英真  京都大学, 教育学研究科, 准教授 (10452327)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード教育評価 / アクティブ・ラーニング / コンピテンシー / カリキュラム / 教育方法 / 海外研究
研究実績の概要

(1)諸外国におけるコンピテンシーの内実と、その評価規準・評価方法に関する調査:
平成28年度には、コンピテンシーの内実を明らかにするために、諸外国で行われている取り組みに関する調査を進めた。具体的には、米国の中等学校や高等教育機関における指導力向上に向けた取り組みや中国・韓国の初等教育の実際について現地調査を行った。さらに、文献を通じて、PISA調査を事例にグローバル・スタンダードの在り方について検討を行った。特に、米国においてPISA調査が教育動向に与えた影響を子細に調査した。
(2)先進実践事例の国内調査:
平成28年度には、熊本大学附属中学校や京都市立堀川高等学校等を訪問し、どのような授業が行われているかを観察するとともに、評価規準・評価方法に関わる資料を収集した。また、先進事例の調査として、高等学校においてアクティブ・ラーニングに先進的に取り組んできた京都府立園部高等学校や岩手県立盛岡第三高等学校の実践について、文献を通じて評価とカリキュラムに焦点を合わせて実践の分析を行った。
(3)評価規準・評価方法の開発と検証:
平成28年度にも、研究代表者および分担者がこれまで取り組んできた京都市立高倉小学校や兵庫県立尼崎小田高等学校との共同授業研究において、コンピテンシーの育成を目指した授業づくりに関する研究を進めた。小学校においては、継続的に研究を進めることで、学年を超えて、子どもの学習成果の実例と対応させながら評価規準を吟味することができた。加えて、高等学校の総合的な学習の時間や理科課題研究における探究の指導を通して育まれるコンピテンシーの内実とその成長について検討することで、既存の評価規準の練り直しを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は、初等・中等教育段階において子どもたちに身につけさせるべきコンピテンシーの内実を明らかにするとともに、アクティブ・ラーニングを活用してその育成を保障することを目指して、評価規準と評価方法を開発することにある。今年度は、国内外における先進事例について、特にカリキュラムと評価に関する資料の収集と分析を行った。また、先進校の訪問や共同授業研究も進めてきた。さらに、文献研究にとどまらず国内外の学校を訪問し、その実際について内実を検討することができた。これにより、次年度に向けて、本研究の基礎作業を行うことができた。

今後の研究の推進方策

(1) 諸外国におけるコンピテンシーの内実と、その評価規準と評価方法の調査
平成29年度は、前年度の成果を踏まえ、実際にグローバル・スタンダードの検討・分析を行う。具体的には、前年度検討したPISA調査の在り方や教育動向への影響力に関する知見をもとに、2015年に実施されたPISA調査・TIMSS調査を中心的な対象とし、その評価枠組み・調査問題およびその後の国際的な動向について分析し、子どもたちに身に付けさせるべきコンピテンシーとその評価規準・評価方法を明らかにしていく。
(2) 先進実践事例の国内調査
平成28年度に引き続き、アクティブ・ラーニングに関して先進的な取り組みを行っている中・高等学校を選定し、評価規準・評価方法に関する現地調査を行う。ただし、平成28年以降、アクティブ・ラーニングを批判し、その在り方に関して再検討を加える文献がいくつか出版されるようになっている。平成29年度には、そうした事態およびそこで問われている論点を意識しながら現地調査を行うこととする。
(3) 評価規準・評価方法の開発と検証
平成28年度に引き続き、京都市立高倉小学校等の協力校との連携のもと、授業づくりを行う。その中で、本研究の最終的な目的である、アクティブ・ラーニングを活用した学校全体のカリキュラムおよび評価の試案の提出に向けて、評価規準・評価方法の開発・検証を進める。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 「教育評価論からみたアクティブ・ラーニング」2016

    • 著者名/発表者名
      田中耕治
    • 雑誌名

      教育方法45

      巻: 45 ページ: pp.113-124

  • [雑誌論文] 今、求められるアクティブ・ラーニング2016

    • 著者名/発表者名
      西岡加名恵
    • 雑誌名

      特別支援教育の実践情報

      巻: No.173 ページ: pp.4-5

  • [雑誌論文] アクティブ・ラーニング導入にあたっての評価の在り方2016

    • 著者名/発表者名
      西岡加名恵
    • 雑誌名

      英語教育

      巻: 65 ページ: pp.20-21

  • [雑誌論文] 資質・能力ベースのカリキュラムの危険性と可能性2016

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 雑誌名

      カリキュラム研究

      巻: 25 ページ: pp.83-89

    • 査読あり
  • [学会発表] コンピテンシー・ベースのカリキュラムをどう捉えるか-知の総合化と統合的な学びの追求へ-」2016

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 学会等名
      日本教育方法学会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2016-10-01 – 2016-10-01
    • 招待講演
  • [学会発表] カリキュラム論からの環境教育への期待――コンピテンシー・ベースの教育課程と 教科教育の課題2016

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 学会等名
      日本環境教育学会
    • 発表場所
      学習院大学
    • 年月日
      2016-08-07 – 2016-08-07
    • 招待講演
  • [図書] 戦後日本教育方法論史 上2017

    • 著者名/発表者名
      田中耕治
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] 戦後日本教育方法論史 下2017

    • 著者名/発表者名
      田中耕治
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] Curriculum,Instruction and Assessment in Japan―Beyond lesson study2016

    • 著者名/発表者名
      Koji Tanaka,Kanae Nishioka and Terumasa Ishii
    • 総ページ数
      153
    • 出版者
      Routledge

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公開日: 2018-01-16  

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