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2016 年度 実施状況報告書

資質・能力を育てる授業デザインと教師の力量形成に関する開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K04470
研究機関京都大学

研究代表者

石井 英真  京都大学, 教育学研究科, 准教授 (10452327)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード資質・能力 / 教科の本質 / 「教科する」授業 / 真正の学習 / パフォーマンス評価 / 学習としての評価 / 教師の実践研究 / 校内研修
研究実績の概要

平成28年度は、現代社会が求める資質・能力を育成する授業像と授業設計の方法論の解明することに主に取り組んだ。まず、教科の本質の追求と思考力の育成とを統一的に実現する方法について、日米の研究と実践の蓄積を整理した(米国の「真正の学習」を軸にした単元設計論の展開、教科内容の現代化をはじめとする日本の教科指導論の展開)。これらの比較研究・歴史研究の蓄積をふまえて、資質・能力を育成する授業像として、教科の本質を学習者がともに深めあう授業(「教科する(do a subject)」授業)を提起し、その実践指針を明らかにした(石井英真『中教審答申を読み解く』日本標準)。
また、資質・能力を育てる教育活動を担う教師の力量形成の道筋についても検討した。米国を中心に研究されてきた教師の学習に関する知見をふまえつつ、授業研究をはじめ、日本の教師たちの現場の教育実践研究の本質的特徴を明らかにした。そして、そうした良質の遺産を継承しつつ、ワークショップ型の校内研修のあり方などを提案した(石井英真・原田三朗・黒田真由美編『[Round Study]教師の学びをアクティブにする授業研究─授業力を磨く! アクティブ・ラーニング研修法』東洋館)。
上記の成果をふまえつつ、豊川市立一宮南部小学校、香川大学教育学部附属高松小学校、伊丹市立東中学校などで、「教科する」授業を実現し資質・能力を育む単元開発や授業づくりの取り組みを進めた。そして、小学校の取り組みについては、実践事例集を刊行した(石井英真編『小学校発 アクティブ・ラーニングを超える授業―質の高い学びのヴィジョン「教科する」授業』日本標準)。また、教科教育の諸学会で資質・能力ベースのカリキュラム改革についての招待講演を行い、日本カリキュラム学会、日本教育方法学会などにおいても、これらの研究成果をふまえた学会発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

年度当初に予定していた米国での調査は行えなかったが、教師の学習について、予想以上の成果を上げることができたから。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画に沿って研究を進めていく。平成28年度に実施できなかった米国でのフィールドワークを行うことで、確実に計画を遂行していきたい。

次年度使用額が生じた理由

予定していた国内フィールドでの調査を一回実施できなかったため。

次年度使用額の使用計画

昨年度に予定していた国内フィールドでの調査を行い、その旅費として用いる。

  • 研究成果

    (19件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 7件) 図書 (8件)

  • [雑誌論文] 資質・能力ベースのカリキュラムの危険性と可能性2016

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 雑誌名

      カリキュラム研究

      巻: 25 ページ: 83-89

    • 査読あり
  • [雑誌論文] パフォーマンスアセスメント2016

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 雑誌名

      指導と評価

      巻: 62(6) ページ: 18-20

  • [雑誌論文] カリキュラム・マネジメントで求められる評価のあり方2016

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 雑誌名

      教育展望

      巻: 62(3) ページ: 23-28

  • [学会発表] コンピテンシー・ベースのカリキュラムをどう捉えるか-知の総合化と統合的な学びの追求へ-2016

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 学会等名
      日本教育方法学会 公開シンポジウム
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2016-10-01
    • 招待講演
  • [学会発表] Classroom Assessment in Japan: Responsive and Emergent Classroom Assessment2016

    • 著者名/発表者名
      Terumasa Ishii
    • 学会等名
      The 17th International Conference on Education Research
    • 発表場所
      Seoul National University
    • 年月日
      2016-09-19
    • 国際学会
  • [学会発表] コンピテンシー・ベースの教育課程と教科教育の課題2016

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 学会等名
      日本学校音楽教育実践学会 課題研究
    • 発表場所
      北海道教育大学岩見沢校
    • 年月日
      2016-08-21
    • 招待講演
  • [学会発表] カリキュラム論からの環境教育への期待―コンピテンシー・ベースの教育課程と教科教育の課題―2016

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 学会等名
      日本環境教育学会 学校教育プロジェクト研究
    • 発表場所
      学習院大学
    • 年月日
      2016-08-07
    • 招待講演
  • [学会発表] 教科研究の立場から-授業を研究するとはどういうことか―2016

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 学会等名
      日本カリキュラム学会 公開シンポジウム
    • 発表場所
      香川大学教育学部附属高松小学校
    • 年月日
      2016-07-02
    • 招待講演
  • [学会発表] 資質・能力ベースのカリキュラム改革と教科教育の課題2016

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 学会等名
      全国数学教育学会 講演
    • 発表場所
      高知大学
    • 年月日
      2016-06-26
    • 招待講演
  • [学会発表] 教師に求められる資質能力や知識とは何か―「ねらいをめぐる議論」の位置づけをめぐって―2016

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 学会等名
      国際シンポジウム「社会科教師教育カリキュラムを問う 」
    • 発表場所
      キャンパス・イノベーションセンター・東京
    • 年月日
      2016-05-29
    • 招待講演
  • [学会発表] 資質・能力ベースのカリキュラム改革と教科教育の現代的課題2016

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2016年大会 パブリックセッション
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      2016-05-22
    • 招待講演
  • [図書] 戦後日本教育方法論史(上)(「『科学と教育の結合』論と系統学習論―反知性主義への挑戦と真の知育の追求―」「授業の本質と教授学」を執筆)2017

    • 著者名/発表者名
      田中耕治編
    • 総ページ数
      107-126、167-186
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] 小学校発 アクティブ・ラーニングを超える授業―質の高い学びのヴィジョン「教科する」授業―2017

    • 著者名/発表者名
      石井英真編
    • 総ページ数
      189(9-20)
    • 出版者
      日本標準
  • [図書] 教師の資質・能力を高める!アクティブ・ラーニングを超えていく「研究する」教師へ2017

    • 著者名/発表者名
      石井英真編
    • 総ページ数
      199(9-23)
    • 出版者
      日本標準
  • [図書] 中教審「答申」を読み解く―新学習指導要領を使いこなし、質の高い授業を創造するために―2017

    • 著者名/発表者名
      石井英真
    • 総ページ数
      102
    • 出版者
      日本標準
  • [図書] 学びとカリキュラム(岩波講座 教育 変革への展望5)(「学校改革とカリキュラム変革の歴史と現在」を執筆)2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤学他編
    • 総ページ数
      135-162
    • 出版者
      岩波書店
  • [図書] アクティブラーニングの評価2016

    • 著者名/発表者名
      松下佳代・石井英真編
    • 総ページ数
      145(44-68を執筆)
    • 出版者
      東信堂
  • [図書] Curriculum, Instruction and Assessment in Japan: Beyond lesson study2016

    • 著者名/発表者名
      Koji TANAKA, Kanae NISHIKA, Terumasa ISHII
    • 総ページ数
      162(36-54, 57-72, 82-97)
    • 出版者
      Routledge
  • [図書] Round Study 教師の学びをアクティブにする授業研究2016

    • 著者名/発表者名
      石井英真・原田三朗・黒田真由美編
    • 総ページ数
      90(7-14、87-89)
    • 出版者
      東洋館

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公開日: 2018-01-16  

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