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2016 年度 実施状況報告書

大正~昭和戦前期の新教育学校における学校経営と教育実践の連関に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K04474
研究機関奈良女子大学

研究代表者

西村 拓生  奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (10228223)

研究分担者 宇佐見 香代  埼玉大学, 教育学部, 教授 (20294275)
小路田 泰直  奈良女子大学, なし, 副学長 (30186671)
藤井 康之  奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (40436449)
橋本 美保  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60222212)
関口 敏美  大谷大学, 文学部, 教授 (60241212)
松田 泰代  山口大学, 人文学部, 准教授 (70620722)
阪本 美江  奈良女子大学, 大学院人間文化研究科, 博士研究員 (80768383)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード大正新教育 / 奈良女高師附属小 / 木下竹次 / 学校経営 / 教師の葛藤
研究実績の概要

本研究の目的は、大正~昭和戦前期の「新教育」実践が如何なる学校経営の下で展開したのかを、奈良女高師附小の事例を中心に検討するものであり、木下竹次が主事を務めていた時代に木下の教育理念と学校経営がどのように同校の教師たちの教育実践に影響を与えたのか、それと同時に、教師たちがどのように木下との齟齬を乗り越えつつ、それぞれの独創的な教育実践を編み出し、大正新教育を代表する同校の先進的な教育実践を構築していったのかを明らかにすることを通して、「新教育」研究一般の深化に貢献することにある。
そこで、平成28年度では、①附属小学校に所蔵されている、職員会記録、学校日誌、学級日誌、教授細目案等の学校文書や機関誌『学習研究』等の大正~昭和戦前期の貴重な史料群が経年によって劣化が著しく進んでおり、これらの史料群の保存処置は本研究遂行上、不可欠であると同時に、貴重な教育史料を保存して今後の教育史研究者に供することも本研究の重要な役割であるために、まず特に損傷の著しい史料群の補修を行った。②平成29年3月に、研究代表者・研究分担者が参集し、第1回目の科研費報告会を奈良女子大学附属小学校において開催した。この報告会においては、①で述べた奈良女子大学附属小学校所蔵学校資料の脱酸性化及び補修の進捗状況の報告と、本研究の目的である、奈良女高師附小における学校経営の様相を明らかにする第一歩として、大正期~昭和初期における木下竹次主事とその下で訓導として教育活動を展開した幾尾純との音楽教育論の違い(対立)に着目し、その特徴についての発表が行われた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の初年度の目的および計画である、経年劣化による奈良女高師附小史料群の補修・保存作業については専門業者に依頼し、劣化の著しい史料群から脱酸処理と補修の作業を予定通り行った。また並行して、奈良女子大学附属小学校に所蔵されている史料以外の当該時期における同校の教師たちの著書・論文等を収集することも予定通り行ってきた。
また、第1回科研費報告会を、研究代表者および研究分担者とともに年度末に開催し、史料調査・収集の現状報告と史料収集の成果による各自の研究報告を行ったことに加え、研究分担者は学会誌、紀要等においても、それぞれの研究成果を発表した。

今後の研究の推進方策

現時点で、研究計画通りに進捗しているので、次年度も引き続き、経年劣化による奈良女高師附附小史料群の補修・保存作業を遂行するとともに、奈良女高師附附小における教師たちの史料調査・収集、それらの作業に基づく研究成果の発表の場を設け、活発な発表を行う予定である。また、次年度は2年目にあたるので、最終年度のまとめに向けた具体的な討議も、研究代表者・研究分担者とともに積極的に行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

2年間にわたる予定の資料の脱酸・補修作業にかかる経費が、初年度は見込みより安価で実施できたこと。また、3月の共同研究会に遠隔地からの参加を見込んでいた研究協力者が参加できなかったため、旅費が不要だったこと。

次年度使用額の使用計画

2年目の脱酸・補修作業の経費にあてる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 近代日本におけるドクロリー教育情報の普及― 国際新教育運動と大正新教育2017

    • 著者名/発表者名
      橋本美保
    • 雑誌名

      『東京学芸大学紀要』総合教育科科学系Ⅰ

      巻: 68 ページ: 9-23

  • [雑誌論文] 実際の理論化--看過されてきた実践思想2016

    • 著者名/発表者名
      橋本美保
    • 雑誌名

      『近代教育フォーラム』

      巻: 25 ページ: 27-30

  • [雑誌論文] 奈良女子大学附属小学校所蔵の近・現代学校資料の現状2016

    • 著者名/発表者名
      阪本美江
    • 雑誌名

      『教育システム研究』

      巻: 11 ページ: 57-68

  • [雑誌論文] 奈良女高師附小訓導斎藤千栄治の「劣等児」「低能児」論とその展開2016

    • 著者名/発表者名
      阪本美江
    • 雑誌名

      『日本教育史学会紀要』

      巻: 6 ページ: 20-39

    • 査読あり
  • [学会発表] 大正期から昭和初期における幾尾純の唱歌教育論―木下竹次との対立に着目して2017

    • 著者名/発表者名
      藤井康之
    • 学会等名
      第1回科学研究費報告会
    • 発表場所
      奈良女子大学附属小学校
    • 年月日
      2017-03-08
  • [学会発表] 附小資料脱酸補修事業経過報告2017

    • 著者名/発表者名
      阪本美江
    • 学会等名
      第1回科学研究費報告会
    • 発表場所
      奈良女子大学附属小学校
    • 年月日
      2017-03-08
  • [学会発表] 東京市富士小学校におけるカリキュラム開発の態勢―大正新教育期の公立小学校における教師の協同―2016

    • 著者名/発表者名
      橋本美保
    • 学会等名
      日本カリキュラム学会
    • 発表場所
      香川大学
    • 年月日
      2016-07-02
  • [図書] 『文献資料集成 大正新教育』2017

    • 著者名/発表者名
      橋本美保
    • 総ページ数
      4000
    • 出版者
      日本図書センター

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公開日: 2018-01-16  

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