研究課題/領域番号 |
16K04477
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小宮山 道夫 広島大学, 国際室, 准教授 (60314720)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 教育史 / 学力論 / 地域 / 青年 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、地方経済と学習ニーズに注目しながら教育政策の地方における受容仮定について実証的に考察することである。具体的には第四高等中学校(第四校等学校の前身)を事例に、関連諸機関が所蔵する文書および北陸各地に散在する尋常中学校関連文書等の一次史料を用い、教育内容の分析と修学実態の分析を行うことをめざしている。 研究初年度にあたる平成28(2016)年度は、第四高等中学校の先行研究の把握に努めるとともに、関連資料保存機関の資料公開状況を把握することに努めた。 福井県文書館における資料調査を実施し、当時の関係資料の残存状況を把握した。 福井市は戦時中の大規模な空襲被害と戦後の福井地震による甚大な被害を受けており、福井県内固有の貴重な史料の多くを失っている。すなわち一般的に想像する戦前の行政文書の残存は限られており、そしてそこに含まれる学務関係史料はほとんど存在しない。このため高等中学校に関わる行政文書もない。高等中学校当時の第一次史料を見出す可能性としては、同館が所蔵する、もしくは県内各所に存在する個人文書を隈無く探す以外にはないことを把握した。 他方、福井県文書館には県史編纂時に収集した新聞資料があり、1880年代の新聞は断続的とはいえ比較的集められている。また編纂当時の資料目録がデータ化され、WEB上と館内設置の端末で検索と資料請求書の作成ができるようになっている。もっともデータベースは編纂時に作成された情報をもとにしているため、全ての記事が目録化されている訳では無い点は注意が必要である。実際にはある程度あてをつけながら高等中学校の記事を探すために紙面を逐一繰る作業を行った。 そこで得た資料および知見をもとに、『月刊ニューズレター 現代の大学問題を視野に入れた教育史研究を求めて』に寄稿するとともに中国四国教育学会編『教育学研究紀要』に論文を掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属機関内での配置換えがあり、職務内容も大幅に変化したため想定していた調査日程を確保できなかった。このため経費執行についても想定以上の繰越を発生させる結果となった。 とはいえ研究成果として定期的な原稿化と論文の執筆は実施できた。このため「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度以降は所属機関内での配置換え後の職務も安定し、調査日程も組みやすい職務内容となるため、平成28年度の遅れは早急に取り戻せるものと考えている。 このため当初計画に予定していた新潟県調査(5月中実施)、福井県調査(第2次)、石川県調査を実施するとともに、28年度に予定しながら実施できなかった富山県調査を実施する。また、新潟県、石川県については第2次調査を年度の後半に組む予定である。 新潟県では私立長岡学校(現県立長岡高等学校)、私立高田尋常中学校(現県立高田高等学校)関係資料と地域資料を、石川県では四高関係資料と地域資料を、富山県では富山県尋常中学校(現県立富山高等学校)関係資料と地域資料を調査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
「現在までの進捗状況」に述べたとおり、所属機関内での配置換えがあり、職務内容も大幅に変化したため想定していた調査日程を確保できなかった。このため経費執行についても想定以上の繰越を発生させる結果となった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度以降は所属機関内での配置換え後の職務も安定し、調査日程も組みやすい職務内容となるため、平成28年度の遅れは早急に取り戻せるものと考えている。 このため当初計画に予定していた新潟県調査(5月中実施)、福井県調査(第2次)、石川県調査を実施するとともに、28年度に予定しながら実施できなかった富山県調査を実施する。また、新潟県、石川県については第2次調査を年度の後半に組む予定である。 新潟県では私立長岡学校(現県立長岡高等学校)、私立高田尋常中学校(現県立高田高等学校)関係資料と地域資料を、石川県では四高関係資料と地域資料を、富山県では富山県尋常中学校(現県立富山高等学校)関係資料と地域資料を調査する。
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