研究課題/領域番号 |
16K04477
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小宮山 道夫 広島大学, 森戸国際高等教育学院, 准教授 (60314720)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 教育史 / 学力論 / 地域 / 青年 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、地方経済と学習ニーズに注目しながら教育政策の地方に於ける受容過程について実証的に考察することである。具体的には第四高等中学校(第四高等学校の前身)を事例に、関連諸機関が所蔵する文書および北陸各地に散在する尋常中学校関連文書等の一次史料を用い、教育内容の分析と修学実態の分析を行うことを目指している。 研究第3年度にあたる平成30(2018)年度は、前年度に収集した新潟県関連資料の整理・分析を実施するとともに、富山、新潟、石川各県での調査を実施した。 富山県では第二次調査として富山県立図書館および富山県公文書館を訪れ第一次調査で及ばなかった所蔵資料を確認した。『知事上京書類及雑書』(1891年)等の23枚の複写をともなう資料収集を実施した。 新潟県では第三次調査を実施し、新潟県立文書館を訪れて所蔵資料を行った。『新潟新聞』1885~1889年および『中越新聞』1884~1888年に目を通し、102コマ分の追加資料撮影を行った。 石川県では二期に分けて調査を実施し、石川県立歴史博物館において四高関係文書の中から第四高等中学校募金に関係する4点の資料を撮影。金沢大学においては『寄宿舎当直記要』『舎務事件綴込』『第四高等中学校学友会雑誌』の3点618コマ分、『十全会会誌』66コマ分の撮影を行った。また金沢大学、石川県立図書館および金沢市立玉川図書館にそれぞれ所蔵する『久徴館同窓会雑誌』1888~1893年、1242コマ分の資料撮影を行った。金沢大学資料館においては四高関係文書のうち高等中学校時代の所蔵資料をすべて確認し、『学業成績簿』および『職員履歴』を中心に1386コマ分の撮影を行った。 そこで得た資料および知見をもとに、『月刊ニューズレター 現代の大学問題を視野に入れた教育史研究を求めて』に寄稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画の最終年度にあたる平成30(2018)年度の石川県調査の過程において、北陸地域の青年および教育関係者たちの活動が明らかになる雑誌『久徴館同窓会雑誌』が創刊号から84号の最終号に至るまでの全号(1888~1890年)が分散しながらも石川県内に現存することが確認できた。また、当初は想定していなかった金沢大学資料館が所蔵する第四高等中学校在校生の学業成績簿の開示を受けることができ、それぞれ詳細な分析を実施するためには研究期間が不足することから延長を申請するに至った。
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今後の研究の推進方策 |
平成30(2018)年度までの研究期間中に調査を行った新潟県、富山県、石川県、福井県、石川県における収集資料及び前項に示した雑誌『久徴館同窓会雑誌』や金沢大学資料館が所蔵する第四高等中学校在校生の学業成績簿等の資料に基づき、本研究の成果を総括し、最終報告書を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
史料起こし作業謝金の進捗状況にともなう支出誤差および研究報告書印刷経費を支出しなかったことにより次年度使用額が生じた。研究報告書印刷経費の一部として使用する計画である。
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