研究課題/領域番号 |
16K04482
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研究機関 | 石巻専修大学 |
研究代表者 |
佐藤 幹男 石巻専修大学, 人間学部, 教授 (30142904)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 戦後教育改革 / 地方教育研究所 |
研究実績の概要 |
29年度は、主に都道府県の資料収集を実施した。各県教育史として公刊されている資料のうち、戦後初期をカバーしている資料はほぼ入手できたが、県の教育史を刊行していない県の資料の収集が課題である。同時に、空白県の実態を知りうる可能性のある資料として、各県の教育委員会が刊行した資料や校長会の資料等も収集を行ってきたが、まだ十分ではない。 現時点で把握できている点は、全国の地方教育研究所の設置は、①戦後初期の文部省の指示にほぼ忠実に従っているとみられること、同時に、②形式的な対応にとどまっている県が多いこと、③名称に「研究所」と「研修所」の2類型が見られること、④研究所の実態が伴ってくるのは、昭和27、28年ごろからで、30年代に入ると、活動の内容が定型化し、後の「教員研修」機関化する傾向が明確になる。 その他、他の県とは異なる特徴を持った県がいくつか存在する。 まず、①「教育会」が存続した県は、県の研究所(研修所)の設置が遅れるか、活動が低迷している傾向がみられる(長野、栃木まど)。②文部省の勧奨に従ってか、師範学校に研究所を設置した例が見られる(福島、神奈川)が数は少ない。③県よりも、市の設置に力点が置かれていた例がみられる(神戸、四日市)。④郡市に教育研究所が多く設置されている県も少なからず存在する(群馬、岐阜)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各県の教育関係資料の収集は順調に進んでいる。特に県教育史は、刊行されている県の資料はほぼ終了した。しかし、刊行されてはいるものの戦後初期の記述がない県資料が多く、教育委員会資料や校長会資料などで補充するための資料収集作業を継続している。 研究所設置構想の立案、具体化課程を探る資料の収集はなお課題である。
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今後の研究の推進方策 |
(1)政策側の設置構想に関連する資料の調査を継続する。 (2)県レベルの資料はほぼ揃いつつあるので、今年度は、郡や市レベルの資料を収集したい。 (3)最終年度に当たるため、まとめの作業に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)都道府県の特定資料(古書)が入手できなかったため。 (使用計画)特定資料に代わる資料を調査し入手するとともに、各県資料のほか、特定の郡や市の教育研究所の資料を調査し、入手したい。
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