(1)「モノと心の統制」について、植民地の学校では「四大節」において学校外(「御真影」下賜学校)まで出向いて「御真影」に拝礼する事例を見出し、「祝日大祭日儀式規程」から「小学校令施行規則」に引き継がれた学校儀式の体系性は、植民地においてさほど重視されていなかったのではないかと結論づけた。このことは、「御真影」の下賜学校なのかそうでないのかという点だけに着目していては見えない重要な点といえる。 (2)「植民地の青年」について、徴兵のあった日本内地の青年とは異なり、日本内地の「留守家族」への農作業協力など、日本国内で理解されてきた状況とは異なる戦時勤労動員ありさまを一定程度明らかにすることができた。
|