研究課題/領域番号 |
16K04503
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
湯浅 恭正 中部大学, 現代教育学部, 教授 (60032637)
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研究分担者 |
福田 敦志 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10325136)
新井 英靖 茨城大学, 教育学部, 准教授 (30332547)
吉田 茂孝 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (60462074)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | カリキュラム / 多職種協働 / 特別なニーズ / インクルーシブ教育 |
研究実績の概要 |
本研究は通常の学校に通う学習困難児のカリキュラムを多職種が協働して開発するための原理と方法を明らかにすることを目的としている。具体的には、通常の学校に通っている特別ニーズのある児童生徒の学習困難の実態を日本・英国・ドイツの3か国で比較検討するとともに、日本を中心に、学習困難児にかかわっている教師や学校カウンセラー・学校ソーシャルワーカー等の多職種の専門家にインタビュー調査を行い、学習困難児の学習内容等の調整方法を検討するものである。 平成28年度は英国の特別ニーズのある児童生徒の実態と、そうした児童生徒に対する教育的アプローチについて明らかにした。その結果、単に放課後にさまざまな職種の人たちが学習困難児に対して補習を行っているばかりでなく、学校内で学習困難児の理解を促進するための多面的に授業を展開するとともに、学習困難児の保護者が学校とのつながりをもてるようにさまざまなイベントを計画するなど、ソーシャル・ワークと関連する取り組みを実施していることが明らかになった。 こうした英国研究の結果は国内学会で報告し、関連領域の専門家と意見交換を行った。こうした結果をふまえて、本研究のメンバーで平成29年度に実施予定のドイツ調査および国内調査における調査項目を整理した。平成29年度は、ドイツにおいて多職種がカリキュラム調整にどのように関与しているのかについて現地調査を行う予定である。また、日本のNPO法人等の取り組みを調査し、放課後に学習困難児を支援している団体等に聞き取り調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インクルーシブ教育を推進する協働のあり方をテーマして日本・ドイツ・英国の国際比較研究を実施する本研究において、平成28年度には日本国内の研究動向を、関連する学会誌・大学の研究紀要等を中心にして整理し、また英国の実態を明らかにすることができた。ドイツについてもテーマに関連する研究文献の収集等を実施できた。また、平成29年度に調査予定のドイツ現地視察や日本国内のインタビュー調査の調査項目を整理することができ、平成29年度に確実に調査が実施できる見通しをつけることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に検討した調査項目に沿って、インクルーシブ教育を推進する協働論に関わる海外の現状と課題については、平成29年5月にドイツ・ブレーメン州において現地調査を実施する予定である。また、6月から順次、日本国内のインクルーシブ教育の推進に関与している専門家に対するインタビュー調査(神奈川・京都・北海道・沖縄等)を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では日本のほかにイギリスとドイツのカリキュラム調整の方法について研究することが目的となっている。このうち、ドイツについては平成28年度中に現地調査をする予定で旅費を確保していたが、訪問するドイツの学校や大学教員の都合により、平成29年5月にドイツ出張を実施することになった。その外国旅費を次年度に繰り越す必要が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年5月にドイツ・ブレーメン州の学校見学および大学教員への聞き取り調査を実施する予定となっている。そのための海外出張旅費として、繰り越ししたほとんどの経費を使用する予定となっている。
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