研究課題/領域番号 |
16K04504
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研究機関 | 名古屋外国語大学 |
研究代表者 |
大矢 芳彦 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (30175252)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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キーワード | ペアワーク / 大人数授業 / スマートフォン / moodle |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、教養科目の大人数授業にペアワークを取り入れ、その学習効果と問題点を検討し、その適用可能性を検証し、大人数教室での教養科目授業に応用できるペアワークモデルを構築することにある。この研究の背景として、現在の教養教育が、その重要性が叫ばれているにもかかわらず、専門教育や資格教育重視の影響で、学生側からも教員側からも軽視され、一方向的な大人数授業が無作為に行われていること、その一方で、これまで筆者らが行ってきた情報基礎教育におけるペアワークが非常に有効であり、様々な授業に応用可能であることがあげられる。ただひとつの問題は大人数授業の教室にPCが設置されていないことであるが、大学生のスマートフォンの所有率はほぼ100%で、PCの代用としてスマートフォンを用いることを考えた。 今年度は、準備段階として40人程度の教養科目の授業においてスマートフォンを用いたペアワークの実験授業を行った。その結果、①スマートフォンの使用、またmoodleへのアクセスや操作などに関するトラブルもなく、学生からも本授業方法について概ね好評であったこと、②事後アンケートの自由記述からペアワークに関する反対意見は皆無であったが、スマートフォンの授業利用については若干の批判的な回答がみられたため、今後はスマートフォンの利用については吟味する必要があること、③今回、試みとして学習者特性としてFelderの学習スタイルインデックスを用いたが、このインデックスの有効性が示され、ペア組み合わせ指標として役立つ可能性があること、などが明らかとなった。 今後は、今回の結果を基に、より効果的な学習法を提案すると同時に100名程度の大人数授業においても応用していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
科研申請時は平成28年4月から研究を開始し、5月に実験授業、秋から冬にかけて学会等で発表する予定であったが、本研究計画が採択されたのが平成28年11月であり、急遽、秋に実験授業を行ったものの、データ分析やまとめに時間がかかり平成28年度の学会発表ができなかった。次年度も半年程遅れて研究を行う予定であるが、最終年度までには科研申請時の研究計画案に追いつく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は40人程度のクラスで実験授業を行い、wifiとスマートフォンを利用して、moodleによるペアワークを試みたが、特に問題なく学生にも好評であったため、平成29年度前期に80人程度のクラスで同様の実験授業を行い、大きな問題がなければ後期に大人数授業によるスマートフォンを用いたペアワークを実践する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年4月から使用する計画であったが、採択されたのが平成28年11月であり、研究が半年遅れたため、平成28年度中に学会などで参加・発表することが不可能であったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は国際会議などに積極的に参加し研究成果を発表する予定である。
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