研究課題/領域番号 |
16K04514
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
佐喜本 愛 九州産業大学, 国際文化学部, 准教授 (90552216)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 奉安殿 / 小学校 / 地域社会 / 建築物 / 戦後教育改革 |
研究実績の概要 |
本年度は、前年度に引き続き、北部九州・京築地方の奉安殿に関する史料収集を行った。計画では筑後方面まで調査をする予定であったが、九州地方の豪雨災害により、調査対象地区もかなりの被害にあっており、当該地域への調査は実質不可能であったため、特に京築地域に対象を絞り調査を進行することにした。前年度に実施した公共図書館、当該地域の小学校における史料調査をベースに、戦後直後に「児童」だった方々への聞き取り調査を行い、重要な証言および写真の提供、個人所有の奉安殿の存在を確認することができた。 こうして福岡県京築地域に絞って調査を行った結果、本年度の調査によって、同地域において6つの奉安殿(仲津小、祓郷小、節丸小、上城井小、下城井、八津田小)1つの奉安庫(椎田小)が残されていることが明らかとなった。 さらに本調査によって残存奉安殿は「慰霊塔」として使用されていることがわかった。そこで調査対象をさらに遺族会にまで広げ、関係者への聞き取りおよび地元新聞、地元雑誌の収集に着手し、調査分析を行った。また、当該地域の小学校文書には当時を知る史料(写真)はほぼないため、今回協力いただいた地元の方々から更に人脈を広げ、個人所有のアルバムをみせていただくなど、更に地域に根ざした調査をしていく必要性がある。まだ着手したばかりであり、次年度でも引き続き行っていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
九州豪雨の影響により、予定していた学校文書の調査ができなくなったため計画通りに進めることができなかった。ただし、調査不可能地域から切り替えて京築地域を限定し調査を行ったことによって、予定外のところで残存奉安殿を追求できたことは大きな成果であった。
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今後の研究の推進方策 |
九州地方の豪雨災害の影響によって調査が進まなかったため、延長申請を行い許可された。最終年である今年は、京築地域の奉安殿について論文化を目指すべく、遺族会への調査を進めさらに多面的な調査を実施するとともに、これまで調査できなかった直方・田川方面に調査範囲を広げ、総合的に分析することで本研究課題の成果を出していきたい。。
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次年度使用額が生じた理由 |
九州地域の豪雨災害により調査に行くことができず、旅費および調査に必要な諸費用を使用しなかった。この一年の復旧工事により、現在は計画していた直方・田川方面への調査が可能となっており、次年度では当該地域への調査を広げる予定であるため、それに伴う交通費および史料収集に使用する計画である。
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