研究課題/領域番号 |
16K04516
|
研究機関 | 鹿児島国際大学 |
研究代表者 |
吉留 久晴 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 教授 (20387450)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 職業教育 / 職業訓練 / デュアルシステム / 訓練指導員 / ドイツ |
研究実績の概要 |
1.前年度に引き続き、ドイツの訓練指導員に関する研究成果・資料類を収集し、新たに発表された論文などのレビューを行った。また、これまでの文献研究の成果を踏まえ、「ドイツ・デュアルシステムの訓練市場の変貌」というタイトルの学術論文を執筆した。同論文において、(1)現在ドイツで訓練企業での実践的訓練の質保証及び配慮が必要な青少年の訓練受け入れ・修了の実現に向けた取り組みが課題となっていること、(2)さらに、こうした取り組みの実現の成否が、実践的訓練の計画・実施の責任者である訓練企業の訓練指導員の力量に依るところが大きいことなどを浮き彫りにした。 2.文献研究から得られた事実や論点を踏まえながら、調査内容や確認・質問事項を明確化したうえで、2018年2月にドイツで以下のような聞き取り調査を実施した。 (1)ケルン商工会議所を訪問し、現在、訓練指導員に求められている役割や能力、同商工会議所が提供している訓練指導員の養成・研修プログラムの内容などについて、同商工会議所の担当者にインタビューを行った。 (2)商工業分野の訓練企業と手工業分野の訓練企業を訪問し、訓練指導員の役割、訓練中にコンフリクトが生じた場合の対応、学力が高くない訓練生の支援方法ないし支援可能性などについて、各訓練企業の訓練指導員ないし訓練責任者にインタビューを実施するとともに、関連資料の収集を行った。 (3)職業コレーク(職業教育に関するさまざまな学校を1つに集約した教育機関)を訪問し、同校において提供されている各課程とその教育内容、職業コレークと訓練企業との連携体制などについて、学校長及び教員にインタビューを行うとともに、関連資料を入手した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究実施計画に沿って、(1)関連資料の収集・分析、(2)文献研究の成果の取りまとめ(論文執筆)、(3)ドイツでの聞き取り調査、(4)研究者との知見・情報交換などを実施することができたため、進捗状況はおおむね良好であると判断できる。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度も当初の計画に沿って、着実に研究を進める。具体的には、本年度実施したドイツでの聞き取り調査の内容を整理したうえで、必要に応じて追加の情報・資料収集を行い、その成果をまとめる。さらに、これまでの研究成果の総括を実施する。
|