研究課題/領域番号 |
16K04518
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研究機関 | 秋田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
吉葉 恭行 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (50436177)
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研究分担者 |
小幡 圭祐 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 特別研究員(PD) (30770127)
本村 昌文 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (80322973)
谷本 宗生 大東文化大学, 東洋研究所, 特任准教授 (90301192)
加藤 諭 東北大学, 学術資源研究公開センター, 准教授 (90626300)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 大学史 / 科学史 / 日本思想史 / 教育史 / 日本史 / 帝国大学 / 知的基盤 |
研究実績の概要 |
本年度(平成29年度)は、研究がほぼ予定通りに進捗した。第2回研究会(9月16日、秋田高専)、第3回研究会(3月10日、秋田高専)を開催し、各分担者が調査・研究の成果および進捗状況の報告を行った。 これらの研究会においては、成瀬政男(東北帝国大学工学部)、村岡典嗣(東北帝国大学法文学部)、畑井新喜司(東北帝国大学理学部)、熊谷岱蔵(東北帝国大学医学部)、佐藤丑次郎(東北帝国大学法文学部)といった研究対象者の知的基盤の解明を試みる報告や知的基盤としての帝国大学の研究環境整備に関する報告がなされた。またこうした帝国大学の研究者の多くがその知的基盤を形成したと考えられる旧制高等学校の教育過程について、旧制ナンバースクールを対象として解明を試みる研究報告がなされた。同時に「知的基盤」の概念についても整理する作業も進められた。 これらの研究会を契機として新たに若手の研究協力者3名の参加を見ることができ、研究の対象や範囲が広がりつつあり、戦時下の帝国大学における研究者の知的基盤の解明をめざしての今後の展開が期待される。そして各自が示した研究方針に基づいて研究を進めることが確認された。 これまでの研究成果の一部は別記のように学会等で口頭報告され、論文として『東北大学史料館紀要』や『東北学院史資料センター年報』等の学術雑誌、著書『学都金沢形成の様相ー近代日本官立高等教育機関の設置過程ー』(該当箇所は91-120頁)において報告されている。また第3回研究会において、最終年度である平成30年度の5月に開催される日本科学史学会の個別報告・シンポジウムにおいて研究成果を報告し、書籍として刊行することを目指すことを決定した。くわえて海外に発信することも視野に入れることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた通りに研究会を開催し、各分担者からの報告も受けている。予定通りの進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
第3回研究会において確認されたように、平成30年5月25日~26日に開催される日本科学史学会において、講演やシンポジウムを実施し研究成果を報告する予定である。またこれらの成果報告を踏まえ、成果公開のための書籍を刊行する計画を進めている。くわえて今年度後半には、研究成果を海外に発信することを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当年度は各分担者の所属大学に所蔵されている史料による研究が思いのほか進み史料調査等の実施回数が少なかったため支出が少なかったことから次年度使用が生じた。 上記の「今後の研究の推進方策」で述べたように、次年度にあたる平成30年度には学会シンポジウムでの研究成果を報告し、その成果を踏まえ書籍を刊行する計画であるため、次年度使用分はそれらの費用に充てる予定である。また海外に向けた成果の発信のための経費に充てることも視野にいれている。
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