道内町村調査(月形町)は昨年度同様、毎月最低1回は現地に足を運び、聞き取り調査とフィールドワークを実施した。(月形町役場、月形高校、農家への見学・インタビュー(複数回)、月形刑務所、若手の農業者インタビュー、月形夏祭りフィールドワーク、北海道金魚祭りフィールドワーク、、農協、農協青年部、役場産業課農政係、役場産業課観光係、町議会議員(3名)インタビュー、商工会、調査のまとめの報告会開催と住民・協力者との意見交換(2回))これらをもとに報告書を作成した。そこでは、①人口約3000人の農村における青年集団の現代的様相を農協青年部にそくして明らかにした、②農家・農村における世代間の関係について月形の地域と農業の変容にそくして考察した、③新規就農の受入態勢と就農者から見た農村について検討した、④地域づくりへの課題を観光まちづくり計画の策定・実施過程を通して把握した、⑤青年期の学校教育、具体的には高校の現状とそれをめぐる月形町や町民(本調査では町議会議員)の認識・議論を整理した。さらに、3月10日には最終グループインタビューを実施し、町内で異なる職業に就いている町内の20~30代の男女13人とともに月形町の現状とそこで暮らす若者たちの課題について検討した。そこには、地元で生まれ育った者、町外から移住した者、Uターンで戻ってきた者が集り、また農家・役場・民間企業・NPOなどと多種の職業人が集った。人口3000ほどの町で若い世代の人数も多くない現状にありながら、若者たちの関係はほぼ職場ごとに閉じていた。それゆえに出会いと共同的な活動と実践の機会が求められ、それを模索する実践の萌芽も見られたものの本格的な展開には至っていなかった。そこには社会的資源を含むいくつかの要因が析出された。これを道内の他町村および被災地調査との比較から考察を行った。
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