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2018 年度 実績報告書

保育者の離職から再就職に至るまでの自己形成プロセスと再就職支援プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K04527
研究機関宮城教育大学

研究代表者

香曽我部 琢  宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (00398497)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード潜在保育士 / 離職 / 再就職 / 認知的感情制御 / キャリア形成 / 結婚観 / 子育て観 / 潜在化
研究実績の概要

本研究では、保育者が保育職として再就職するプロセスについて、離職の要因との連続性を踏まえた上で、そのプロセスにおける経験と出来事について明らかにすることを研究目的とした。分析の結果、就職してから離職し、再就職するプロセスにおいて4つのネガティブな感情を生起させ、それらの要因となった経験や出来事を解釈することで感情を制御していることを示唆した。さらに、その感情を制御する方略を考察したところ、保育者が離職する前に保育で子どもと一緒にいることの楽しさを感じた経験と、次の職場の人間関係への不安を払拭した経験が、保育職へ再就職する要因となったことが示された。
さらに、本研究では、「子育てをしながら保育者に再就職する」経験を持つ保育者の経験・出来事にも着目した。そして、高校生の進路選択から就職・離職・再就職の経験に至るまでのプロセスを明らかにし、保育者のキャリア形成の在り方について検討を行った。その結果、(ⅰ)結婚することによって生じる状況の変化に対して、自らのキャリアを変えることによって適応しようとするために「離職」が促進される。(ⅱ)子どもがある程度大きくなって手が離れ来る際に生起する「子育ての一段落感」が「再就職」を促進させたことが示された。
最後に、保育者が就職、離職し、潜在保育士と生きる経験や出来事を明らかにすることで、保育者が潜在化するプロセスを明らかにした。その結果、保育者の潜在化するプロセスにおいて、進路選択と就職活動の2つの分岐点が存在することが示された。とくに、高校から大学進学時の進路選択時において、保育者養成校に進学する以外に、他の進路の選択肢が分岐点として立ち上がってくる経験が示された。そして、分岐点での進路選択に対して後悔するネガティブな感情が、離職する際に、その後の就職活動に強く影響を与えることが示された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 保育者の「結婚観・子育て観」がキャリア形成プロセスに与える影響 : 結婚と子育てへの意識が生み出す保育者の離職と再就職2019

    • 著者名/発表者名
      香曽我部琢
    • 雑誌名

      宮城教育大学紀要

      巻: 53 ページ: 223-228

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] カリキュラム・マネジメントにおける保育カンファレンスの意義2019

    • 著者名/発表者名
      小森谷一朗、香曽我部琢
    • 雑誌名

      宮城教育大学教員キャリア研究紀要

      巻: 1 ページ: 1-8

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Trajectory Equifinality Aproach in early childhood education and care2019

    • 著者名/発表者名
      Taku KOUSOKABE
    • 学会等名
      TEA International Conference 1st
    • 国際学会
  • [学会発表] 保育者の就業継続要因とワークエンゲージメント-長期のキャリアパスと保育の質との関連性に着目して2019

    • 著者名/発表者名
      香曽我部琢
    • 学会等名
      日本発達心理会第30回第会
  • [学会発表] 保育者になってよかった2018

    • 著者名/発表者名
      香曽我部琢
    • 学会等名
      日本保育学会第71回大会
  • [学会発表] 保育者のワーク・エンゲージメント形成プロセスと保育の質2018

    • 著者名/発表者名
      香曽我部琢
    • 学会等名
      日本乳幼児教育学会第28回大会
  • [学会発表] 保育者のワーク・エンゲージメント形成プロセスと保育の質2018

    • 著者名/発表者名
      香曽我部琢
    • 学会等名
      日本子ども社会学会第25回大会

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公開日: 2019-12-27  

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