研究課題/領域番号 |
16K04528
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
原 義彦 秋田大学, 教育学研究科, 教授 (70284825)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 公民館 / 経営診断 |
研究実績の概要 |
公民館経営診断のリンケージ構築に向けた国内調査では、事例調査として宮崎県綾町中央公民館と自治公民館(22館のうちの1館)の現地調査を行った。ここでは、地域住民の分館活動に参画する意欲と行動を継続させている要因を探ることで、仮設的リンケージの検討を行った。これには、町独自の分自治公民館制度があることが第一の要因と考えられる。例えば、毎月、自治公民館長会が開催されており、そこに町長、教育長も出席している。それに合わせるように、毎月、各自治公民館において役員会が開かれている。このような自治公民館制度により、自治公民館が町の行政に直接意見を伝えられる仕組みとなっており、住民からみると「住民の意向→自治公民館→行政」というながれが実感できるようになっている。この事例から、仮設的リンケージを分析した。 外国調査では、デンマークのフォルケホイスコーレを中心に、その評価活動についての調査を行った。その中で、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの三国共同経営のフォルケホイスコーレ(ヨーテボリ)では、学校目標に基づく評価と学校の質評価が同じ枠組みの中で行われていることがわかった。また、スウェーデンでは、このような評価を行う共通のシステムが開発されており、それを活用しているフォルケホイスコーレが相当数あるとのことであった。これらの結果の一部は、日本デンマーク外交関係樹立150周年記念シンポジウム「Learning in Life, Learning for Life」において報告した(東京、2017年12月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内調査では実地調査による事例収集の作業が中心となった。その分、一部、計画した内容が途中までになった部分がある。他方、外国調査では予想を超える収穫があった。デンマークでのフォルケホイスコーレの調査を広く進める中で、スウェーデンにおける成人教育施設の評価の手法が本研究で検討している診断・評価の手法に近いことがわかったことである。
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今後の研究の推進方策 |
国内調査で得られたデータを集約し、仮設的リンケージをより汎用化させるための検討を行う。 また、スウェーデンの成人教育施設にみられる質の評価と成果の評価を一体的に行う評価システムの分析と現地調査を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
外国調査の旅費を他の用務の旅費でまかなうことができたためなどによる。
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