研究課題/領域番号 |
16K04534
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
渡辺 大輔 埼玉大学, 教育機構, 准教授 (00468224)
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研究分担者 |
杉田 真衣 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (50532321)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 性の多様性 / LGBTQ / 包括的性教育 / ジェンダー / セクシュアリティ / 授業研究 / 人権教育 / 同性愛 |
研究実績の概要 |
①「性の多様性」教育をめぐる首都圏および地方都市の実態調査〔研究目的1〕:首都圏として、東京都の公立中学校、および私立高校2校における「性の多様性」を含む包括的性教育の授業を観察し、授業担当教員らとともに研究協議の機会をもった。また地方都市については、岡山県倉敷市の小学校、栃木県日光市の中学校、神奈川県三浦市の小学校における「性の多様性」に関する授業を観察し、授業担当教員らとともに研究協議の機会をもった。昨年度に引き続き、倉敷市教育委員会との連携では、研究に関する議論、市教委と学校による研究報告への協力等を行うことができた。 ②諸外国におけるセクシュアリティ教育の実態調査〔研究目的2〕:フィンランドのヘルシンキ大学からユッカ・レヘトネン氏、日本の教員として田中武史氏、鈴木茂義氏を招き、学習会「『性の多様性』をどう教える? ~フィンランドと日本を比べて~」を東京にて開催した。約40名の参加者があり、フィンランドと日本の状況や課題について積極的に意見交換を行った。台湾の台北市にある婚姻平權大平台の鄧筑媛氏、性別教育大平台の林均諺氏、台北市立成淵高級中学の教頭先生、臺北市政府教育局の徐イ勛氏、花蓮縣にある孩好書屋の江珮瑾氏、東華大學の張德勝氏、慈濟大學附屬高級中學の陳君儀氏に、性別平等教育および同志教育の成果と課題について聞き取り調査を行った。 ③性の多様性に関する教材開発・授業研究〔研究目的3〕:東京都の公立中学校および私立高校にて、校長、教員、および生徒たちの協力のもと、「性の多様性」をテーマとした授業づくり、授業実践、実践分析を行った。それにより、教材、授業の展開について、昨年度に変更したプログラムを試行し、研究討議を行った。 ④また、①から③の成果を、各種研究誌、教育雑誌媒体等で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由 ①「性の多様性」教育をめぐる首都圏および地方都市の実態調査〔研究目的1〕については、現時点で調査可能および協力、連携のとれている地域に限手して調査研究を進めているが、その連携の中で新たに計画に取り入れることができた教員への聞き取り調査が滞っている。 ②諸外国におけるセクシュアリティ教育の実態調査〔研究目的2〕については、調査対象としていたフィンランドの研究者を招くことができたが、そのために予定していたカナダ等の調査ができなかった。 ③性の多様性に関する教材開発・授業研究〔研究目的3〕については、東京の公立中学校での計画は概ね順調に進んでいる。NPO法人Rebitとの共同制作は上記までの研究の注力したため検討および作業が滞っている。
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今後の研究の推進方策 |
①「性の多様性」教育をめぐる首都圏および地方都市の実態調査〔研究目的1〕については、岡山県倉敷市で授業実践をしてきた教員に聞き取り調査を行う。また、これまでの研究成果報告として、首都圏の教育委員会、および地方都市の教育委員会から担当者をお招きし、実践報告を含むシンポジウムの開催を予定している。 ②諸外国におけるセクシュアリティ教育の実態調査〔研究目的2〕については、フィンランドのヘルシンキで開催されるジェンダー学会において、ユッカ・レヘトネン氏と共に、フィンランドと日本の「性の多様性」教育を巡る状況の悲観区研究について発表を行う。また、今年度に同性婚法が施行される台湾での調査も引き続き行う。 ③性の多様性に関する教材開発・授業研究〔研究目的3〕については、前年度に引き続き、東京の公立中学校と私立高校の協力の下、授業実践および分析を行う。また、性的マイノリティ支援団体と協力のもと、教材開発も行う。それらの結果を教材(啓発資料、資料集)としてまとめ、発行する準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたカナダ等の調査およびNPO法人Rebitとの教材制作が滞っているために次年度使用額が生じた。 これらはフィンランドでの学会発表の旅費等、および上記法人との教材制作に使用する。
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