研究課題/領域番号 |
16K04540
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
降旗 信一 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00452946)
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研究分担者 |
齊藤 由倫 群馬県衛生環境研究所, 大気環境係, 主任研究員 (30450373)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 自然環境調査学習 / 地方環境研究所 / 市民参加 |
研究実績の概要 |
本研究の目的を達成するために先行研究において設立された「自然体験学習実践・ESD研究会」の中に「地方環境研究所ESD研究ユニット」を設立し、本研究に参加する研究者を以下のように組織した。各研究グループは、2016年度社会教育全国集会(明治大学)に「環境分科会」において、主体的に学習する人びとを育て、地域を創造する主体を育てていくことができるような地域での調査学習とは何かが、を中心にフィールドワークと議論を行った。今回の参加者は、13人(報告者3人を含む)であり、報告者を除くと、社会教育職員の参加者が2人、学生の参加者が2人、研究者の参加者が6人であった。 1.3つの報告 報告1:福田真由子(公益財団法人日本自然保護協会)「「身近な自然」を未来につなぐ全国市民調査の取組み」 報告2:陸斉(長野県環境保全研究所)「長野県環境保全研究所が実施する市民参加型調査」 報告3:伊東静一(NPO法人自然環境アカデミー)「自然環境調査に市民が参加する意味を考える」 このほか、本研究の成果として「自然体験学習実践・ESD研究誌」に「自然環境調査学習における市民参加の意義と支援機関としての地方環境研究所の役割」(降旗信一・岩松真紀・伊東静一・陸斎・福田真由子・高川晋一)を発表した。さらに、全国の67機関の地方環境研究所に対してアンケート調査を実施し、65機関から回答を得た。このうち環境教育を実施していたのは45機関であった。一方、「別の団体の環境教育を広報する機能を有する」と回答したのは5機関であり、「環境教育のネットワークづくりの経験、構想がある」と回答したのは11機関であった。この結果から多くの地方環境研究所では環境教育を行っているが、他団体との協働までには至っていないことが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度である平成28年度は、本研究の進捗状況を確認し必要な検討・協議を行うために「地方環境研究所ESD研究ユニット」を設立した。学校―地環研ESDグループ、地域―地環研ESDグループは、全国の地環研に対し、1)環境学習情報の提供、2)環境学習支援人材の育成、3)環境学習ネットワークづくりについての質問紙調査を実施した。その際、各地域の学校教育機関(幼児教育、子育て支援機関、小学校、中学校、高等学校(普通科・職業科・総合学科)、専門学校、大学、大学院)、社会教育・生涯学習関係機関(公民館・博物館・図書館・科学館・NGONPO・協同組合、生産者組織)との相互連携の現状についての情報収集を行うとともに第二事業年度での質問紙調査及びヒアリングに向けた調査票の設計を行った。概ね計画は順調に推移しているものの初年度の研究の結果、学校との連携が重要であることが明らかとなったため調査対象を学校との連携に重点的に取り組んでいる地方環境研究所を対象とすることになった。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の研究の結果、学校との連携が重要であることが明らかとなったため調査対象を学校との連携に重点的に取り組んでいる地方環境研究所を対象とすることになった。今日、多くの小・中・高等学校及び地域でその取り組みが始まっているものの「総合的な学習の時間」の一部にとどまるなど、未だ十分に確立されているとは言い難い。本研究により。次期学習指導要領や中央教育審議会が求める「アクティブラーニング」や「社会に開かれた教育課程」としての課題に取り組む学校と地方環境研究所との連携の在り方を模索したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由は、1)当初計画していた韓国教員大学での研究会参加のための出張旅費が先方からの支給となっため,2)本予算で購入を予定していた図書の刊行が予定よりも遅れたため本年度予算で購入できなかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
韓国教員大学での研究会で2017年9月に岩手県で次回研究会を開催することになったので、その際の研究者の章芸旅費として執行する予定である。また購入予定していた図書は2017年4月に購入手続きを行う。
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