| 研究課題/領域番号 |
16K04543
|
|---|
| 研究機関 | 信州大学 |
|---|
研究代表者 |
安達 仁美 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (30506712)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
| キーワード | ユネスコ活動 / ユネスコスクール / ＥＳＤ |
|---|
| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、ユネスコが提唱したESD（Education for Sustainable Development）に関する活動に取り組んでいる青年を調査対象とし、キャリア形成との関連要素を分析することを通して、ユネスコ活動が持つ教育的意義と可能性を明らかにすることである。
本研究では具体的に次の３点を研究課題として設定している。(１)ユネスコスクール卒業生やユネスコ協会、大学ユネスコクラブにおいてESD活動に取り組む青年のユネスコ活動への参加促進要因の分析。(２) ライフヒストリー的アプローチによるユネスコ活動とキャリア形成の関連要素の分析。(３) （１）、（２）の成果を統合させ、日本の青年ユネスコ活動に関する課題と他国のユネスコ活動の実態を踏まえ、ユネスコ活動が持つ教育的意義と可能性について明らかにする。
本研究が展開されることによって、ESDの長期的な教育的意義を先駆的に示すことができる。さらに、ユネスコスクール卒業後にユネスコ活動から離れてしまうことが課題とされているが、参加促進要因が明らかになることで、ユネスコスクール卒業後のユネスコ活動の継続に向けての実証的な示唆を与えることができる点で意義がある。
平成28年度は、(１) に関し民間ユネスコ活動に取り組む青年を対象としたユネスコ青年全国大会や、また関東地区のユネスコスクールに所属する高校生を対象としたユネスコスクール関東地区ユース研修会等を視察し、ユネスコ活動に取り組む多様な参加者の実態について調査を行った。（２）に関しては、日本における民間ユネスコ運動の歴史的変遷について整理し、ライフヒストリーアプローチについてTEM(複線径路・等至性モデル: Trajectory equifinality model)等の質的調査手法について本調査に適応可能か検討し、調査対象者にアポイントメントを取りはじめたところである。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度は、青年期の発達課題と国内外の青年によるユネスコ活動の実態と課題について、ユネスコスクールの活動が活発であるドイツを実地視察しその傾向をまとめことを予定していたが、国内の多様なユネスコ活動の実態を把握することに重点を置いたため実施できなかった。
|
| 今後の研究の推進方策 |
①6月までに調査対象者にアポイントメントをとり7月～9月にかけてインタビュー調査を実施しライフヒストリー分析を行う。
②国内外の青年によるユネスコ活動の実態と課題について実地視察する。
③これまでの成果を日本社会教育学会第62回研究大会（平成29年9月）や中部東ブロックユネスコ活動研究大会（平成29年9月）等で発表し論稿にまとめる。
④当該領域の国内学会や国際会議に参加し情報収集をする。
⑤3月までに２年間の研究成果を総括してまとめ今後の研究計画を検討する。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
当初、海外調査と国際会議等で外国旅費を見込んでいたが、研究計画を再構成し調査内容等を変更した。それに伴い外国旅費を次年度へ繰り越したために次年度使用額が生じた。
|
| 次年度使用額の使用計画 |
平成28年度からの繰り越し分は、平成29年度請求額と合わせて主に国内外の研究者と情報交換・学術交流するために、国内旅費および外国旅費、学会参加費として用いる。また、調査データの資料整理のための雇いあげや、インタビューデータのトランスクリプト作成を外部業者へ委託するために用いる。
|
