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2018 年度 実績報告書

地域・自治体における戦後初期公民館の実像に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K04544
研究機関岐阜大学

研究代表者

益川 浩一  岐阜大学, 地域協学センター, 教授 (40334916)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード戦後初期公民館 / 地域・自治体 / 実像 / 優良公民館 / 社会教育関係団体
研究実績の概要

本研究は、戦後社会教育の中心施設とされる公民館、とりわけ戦後初期公民館(1946年~1953年)に注目し、その実像をより精緻に明らかにすることを目的とする。公民館は、戦後社会教育改革の理念を集中的に具現する象徴的な施設であり、社会教育をめぐる今日的問題状況は、公民館をめぐる環境に集中的に現れてきていると考えられるからである。
優れた活動を行っていたとして評価される初期公民館は、とりわけ、地域の社会教育関係団体や団体の活動と密接に関連づけられながら、その活動が進められていた実像が明らかとなった。すなわち、育友会(PTA)活動や家庭教育学級、青年団活動や青年学級、婦人会活動や婦人学級、老人クラブ活動や高齢者学級と密接に関わり合いながら活動を進めている初期公民館の評価が高いことが明らかとなった。
戦前・戦中において、日本の社会教育は、内務省による地方改良運動・自治民育を内実とし、青年団等の教化団体による青年教育が中心であった。戦後になって、公民館が構想され、戦前・戦中の団体中心主義の社会教育から施設中心主義の社会教育に転換されたというのがこれまでの通説であるが、戦後初期公民館は、地域共同体としての「ムラ」の強固な基盤の上に存立していた青年団を中心とする地域組織・年齢集団を、社会教育の学習を組織化する手段として最大限利用しようとした実態が明らかとなった。戦後に施設中心主義の社会教育に理念的には転換されたとはいえ、その実像は、施設中心主義とは対極的な団体中心主義の論理が強く働いていたのである。戦後の社会教育においても、そこへの参加・所属に個人の自発性や自主性・能動性が働きにくい、その意味でそこへの参加・所属に強制性が働いている青年団を中心とするぐるみ的・網羅的な地域組織・年齢集団に、学習を組織化していく上でこれまで以上に大きな役割を果たすことが期待されていた実像が明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 岐阜県における青年団の再編・組織化と衰退2019

    • 著者名/発表者名
      益川浩一
    • 雑誌名

      岐阜大学地域協学センター 地域志向学研究

      巻: 3 ページ: 22 33

  • [雑誌論文] PTA組織の設立・発展と活動の展開に関する地域史的研究2018

    • 著者名/発表者名
      益川浩一
    • 雑誌名

      日本学習社会学会年報

      巻: 14 ページ: 85 94

    • 査読あり
  • [図書] 地域・自治体における戦後初期公民館の実像に関する研究2019

    • 著者名/発表者名
      益川浩一
    • 総ページ数
      83
    • 出版者
      私家版

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公開日: 2019-12-27  

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