研究実績の概要 |
令和元年度は、日本比較教育学会第55回大会(令和元年6月)において、前年度までに実施した米国の博物館及び図書館によって実施されている認知症高齢者への教育事業に関する現地調査をもとに、生涯学習関連施設が関わることの意義に注目し、比較分析した結果についての口頭発表を行った。 その後、本年度より新たに、(安全に管理された敷地内において)認知症の人々ができる限り主体性・自主性を保ちながら人間らしく尊厳をもって暮らすために、多様な観点から配慮の行き届いた介護付きの認知症高齢者専用施設として世界で創設の進む“認知症村”に着目し、その中で実施されている学習活動について、オランダ(令和元年7月)及びカナダ(同年8月)における現地調査を通じてその一端を明らかにした。この調査結果をもとに、日本社会教育学会第66回研究大会(令和元年10月)において口頭発表を行った。 また、前年度までの研究成果を所属部局の学習活動に活かした実践例をもとに、令和元年12月に英国で開催されたジェロントロジーに関する国際会議(The European Conference on Aging & Gerontology 2019)において口頭発表を行うとともに、論文に取り纏めた。さらに、過去4年間の調査研究を総括し、令和2年3月にオーストラリアで開催された国際会議(The 2nd International Conference on Teaching, Education & Learning)において口頭発表を行った。同時に、国内においても、認知症高齢者に対する学習機会創出の意義という観点から研究成果を分析した結果を所属機関紀要に論文として公表した。 この他、令和元年10~11月には、所属機関において公開講座(「認知症と学習の可能性―生涯学習関連施設を活かしたアプローチ―」)を実施し、本研究の成果を国民に紹介した。
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