研究課題/領域番号 |
16K04553
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
松井 剛太 香川大学, 教育学部, 准教授 (50432703)
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研究分担者 |
松本 博雄 香川大学, 教育学部, 准教授 (20352883)
片岡 元子 香川大学, 教育学部, 准教授 (40709242)
常田 美穂 (松本美穂) 香川短期大学, その他部局等, 講師(移行) (80711499) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ポートフォリオ / 家族レジリエンス / 就学前施設 / 連携 / 記録 |
研究実績の概要 |
本研究では、就学前施設において、保育者が子育て初期の家族とポートフォリオを通した連携によって、家族レジリエンスを高める子育て支援プログラムの開発と検証を行うことを目的とした。最終年度では、デジタルポートフォリオを使用した施設において実施したアンケートを分析し、ポートフォリオが家族の関係性にどのような影響を与えたかを検討した。 アンケートの結果、デジタルポートフォリオの閲覧は、週3,4回以上が44%、週1,2回程度が56%であった。またデジタルポートフォリオへのコメントについては、6割以上の保護者が全くしない、ほとんどコメントしない、であった。ポートフォリオをデジタル化することで閲覧に対する利便性が上がる一方で、閲覧が2極化する傾向があることや、コメントが少なくなることが考えられる。 デジタルポートフォリオの閲覧で嬉しい内容は、自分の子どもの体験であり、他の子どもやクラスの活動に対する関心は多くなかった。そして、自分の子どもを褒める機会が増えた(52%)、自分の子どものできるところを見つけられるようになった(48%)、自分の子どもの新たな一面を見つけられるようになった(46%)など、自分の子どもの理解や関わりに一定の変化は認められた。また、家族レジリエンスに関連する項目について、家族の間で互いに愛情を感じられるようになった(46%)、家族の間で連帯感が増した(48%)、というように心理面での変化が一定程度見られた一方で、家族が共に過ごす時間が増えた(20%)については、割合が低く、行動での変化はあまり見られない結果となった。 本研究全体を通して、ポートフォリオを使用した連携が子どもの育ちを家族全体で喜び合う一助になることが明らかになったものの、保育者の手作りや手渡しのほうがすべての家族に効果が行き渡ることが示唆された。デジタル化することのデメリットを解消するための工夫が必要である。
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