| 研究課題/領域番号 |
16K04559
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| 研究機関 | 京都府立大学 |
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研究代表者 |
田所 祐史 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (40772140)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 公民館 / 社会教育施設 / 設置形態 |
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| 研究実績の概要 |
1946年から設置奨励がはじまった公民館について、1950年代ごろまでの概ね10年程度の「初期公民館」の時代を対象に、主として施設の面から調査を開始した。
先行研究の再確認により論点を再整理しながら方法論を検討し、調査の視座を獲得することを目指した。また、同時に各都道府県ごとの史資料収集を開始し、実際の史料にあたる中で調査項目等の精選を行うよう努めた。
平成28年度は12県の県立図書館等で史資料収集による調査を行った。東北地方については、福島県を除いて全県まわることができた。県教育委員会の統計や教育関係機関誌、各自治体の公民館関係の資料や周年記念の冊子など、現地でしか収集できない史資料を中心に調査し、初期公民館の設置形態の実態や関係者の施設観などを知るための材料を得ることができた。統計は、公民館設置形態別（併設、転用、独立、新築など）にまとめたり、木造2階建てなどの建築形態について記している場合があり、これらを集計することで、初期公民館の施設実態が県別に明らかになっていくことになる。
また、各都府県の地方新聞の1946年7月、1949年6月の記事を確認し、公民館設置次官通牒や社会教育法制定にあたって、どのように各地で報じられていたかを調査した。記者が公民館という社会教育施設をどのようにとらえ、記事の伝え方から当時の各府県民がどのように受けとめたのかを知る上でも、各都道府県別の公民館普及度・スピードの違いを知る上でも、検討材料になると考えられる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各都道府県調査をスタートし、高知県、東京都、青森県、秋田県、岩手県、宮城県、京都府、奈良県、千葉県、神奈川県、島根県、山形県の県立図書館等において、行政資料、新聞などをはじめとする初期公民館に関する史資料収集を行った。実施計画においては、７都道府県を目標としていたが、目標を上回る12県の史資料収集を実施することができ、進捗度は高い。
また、島根県で現在の公民館設置形態や学校・地域との関係を現地で確認したり、公民館の前史的形態の社会教化・社会事業施設について調べたりすることで、初期公民館像把握を豊かなものにするように努めた。
一方で、先行研究の再確認による論点整理や全国規模の統計等の把握などに十分取り組めず、調査の観点獲得や方法論の精査が幾分不足している面もある。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成28年度に十分取り組めなかった初期公民館や社会教育施設関係の研究業績確認により、調査研究を深めるべき課題を引き続き洗い出していくことが課題である。また、全国的動向の把握も進めたい。
各都道府県別の調査も継続して9府県程度進めていく方針である。なお、福島県調査を平成29年度に行い、東北地方全県の史資料収集に区切りを付けて分析し、論文等にまとめる予定である。
あわせて今後、施設設置による社会教育振興という行政の発想（施設主義）を文部官僚等の言説・政策等から調査していくこと、長期的視座に立って戦前の類似施設・源流と目される諸施設との継承・断絶関係にも調査対象を広げること、などの調査研究展開を図り、より立体的・系統的な公民館の歴史的把握に努める。
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